事業内容:
2010年11月11日設立。飲食店経営、飲食店のコンサルティングサービス、プロデュースを中心に20店舗以上を展開。ワインバルESOLA(エソラ)では、ワインをより手軽に楽しんでもらうために「ワイン時間無制限飲み放題」という独自のサービスを展開する
— 創業から約8年、御社の成り立ちからお聞かせください。
飲食店の出店をサポートする企業で営業を担当し、独立したのは25歳のときでした。20代前半で「この人たちのようになりたい!」と思う、素晴らしい経営者の方々に出会い、25歳で起業を決めました。
とはいえ、自己資金も十分になく、渋谷に物件は見つけたものの、どんな業態の店にするかすら決まっていない状態。
そんな時に、エムグラントフードサービスの井戸さんに相談に乗っていただき、「CONA」(同社のイタリアン飲食業態)のライセンス店1号店を2010年にオープンするに至りました。
そこから店舗数を増やし、現在はワインバルの「ESOLA」を中心に、ラーメンやホルモン焼肉、居酒屋バルなど20店舗以上を展開しています。
— 20店以上の店舗経営に取り組む中で、中元社長が大事にしている思いや経営方針をお聞かせください。
人を基軸に考えて仕事をしていきたい、というのが僕の思いです。創業当時は、店舗数の拡大や売上を上げることに躍起になっていた時期もありましたが、実際にそこを追いかけた結果、「僕には向いていない」と、実感したんです。
大小ともに多くの失敗を経験したうえで、最終的に、大切なのはお客様であり、店舗数よりも「人」=自社ファミリーが増えることに喜びがあると、気づいた。
今では、この職場を「ファミリーの夢を叶える場にしたい」と、思っています。店舗は、ファミリー=人を増やすために必要な“場”に過ぎないと考えるようになりました。
— 「人を基軸に考える」御社ならではの文化を教えてください。
当社の文化は、「人生でやりたいことを自分らしくやっていく」という考えが源です。それは自分自身の人生としても、ヴィクセスという会社としても。
ヴィクセスらしさの追求として、ヴィクスポ」「ヴィクホビ」というものを実施しています。「ヴィクスポ」は、社員が有志で集まりあらゆるスポーツを本気で取り組む場。学生時代に、スポーツを真剣にやっていても、働き出すとやめてしまう人も多いですよね。
経営者は、会社そのものが自己実現に直結しますが、スタッフは必ずしもそうとは言えない。だからこそ、過去の自分も拾い上げながら、今と未来をつなげられる場があるといいと思ったんです。毎回30人くらいは集まります。
「ヴィクホビ」も同様に、一人ひとりの趣味を体現する場です。例えば、バイクが好きならツーリングに行く、そこにディズニーランド好きも掛け合わせ、ツーリングでディズニーランドに行く、とか。月に一度は開催します。
仕事も趣味も、口にしたことを本気で実行し続けることが何より大切。僕自身、スタッフとバンドを組んでいて、武道館でライブをすること、社員と関係者でその客席を満員にすることが、本気でかなえたい夢の一つです(笑)。
— 御社独自の文化が生まれた経緯をお聞かせください。
創業当時から交流の場はあったものの、店舗数が20店舗を超えた辺りから、仕組みとして、共通言語をつくらなければ会社の文化が浸透しないと、感じ始めました。社内のコミュニケーションを増やし、規模を拡大しながらファミリー感を強め続けることが目的です。
他にも、「ファミリーサミット」として、アルバイトのメンバーと僕が各店舗に毎月集まり、接客や店舗の状態をチェックしながら一緒に改善していく機会も設けています。すべては、スタッフとのコミュニケーションから始まる、というのが僕の考えです。
— 導入から約2年弱。「すごい会議」を導入されたきっかけと理由をお聞かせください。
具体的に「これが課題だ」と、見えていたわけではなく、漠然と、「このままいくと、どこかでつまずきそうだ」と、感じていたタイミングでした。
2〜3年後の確かな跳躍に向けて何かを手に入れたくて、株式会社ギフト(旧(株)町田商店)の田川さんに相談したんです。
「それなら『すごい会議』を導入した方がいい」と、薦められ、トライアルさせてもらうことに。田川さんは“失敗しない”方なので、この人が言うなら間違いないと感じて始めました。
— トライアルでは、「すごい会議」のどのような点に魅力を感じましたか。
「自分たちには、これが足りないのかも」と、腑に落ちるものがあったんです。例えば、事実データを収集すること、PDCAを回すことなど。
実際は、セッションを毎月繰り返すなかで言語化しながら実感できた、というのが正しい表現ですが、以前からその重要性は体で感じていたような感覚ですね。
— 「すごい会議」を進めるなかで、「これを実現したい」と思ったことは何でしたか。
幹部社員の育成です。その頃始めた焼肉店の事業が思うように進まず、他の既存店の伸びも今ひとつな状況が続いていました。
今すぐというより、2〜3年後に向けて右肩上がりの経営状況をつくるには、どうすればいいのか。僕自身の成長も不可欠ですが、何より、幹部社員の成長が欠かせないと思ったんです。10億円の規模までは僕のワンマン経営でやってこれたものの、ここからは、彼らの成長なくしては実現し得ない。
「すごい会議」は、第三者が強いコミュニケーションで成長を後押ししてくれるので、僕だけではできないことができる、そう直感しました。
実際に会議を始めると、幹部社員が「やらなければ」と自ずと気づき、覚醒する様子が見て取れたんです。彼らが自覚したからこそ、その後の具体的なアクションが進んだのだと思います。
— 実際のセッションで、どのような問題解決を実施しましたか。
いかに、思わしくない状態を脱し右肩上がりの成長を生み出すか。そのためにひたすら試行錯誤し、「根本的な原因・きっかけをみつけなくては」と、思いつく限りの解決策を実行し続けました。
事実データをもとに、「すべてのアイデアを試した」と言えるほど模索し続けましたね。
サービス改善やコスト改善。組織図も変更し、ありとあらゆることにチャレンジし続けましたね。「準すごい会議」と銘打ち、経営メンバー以下のチームでも「すごい会議」同様のセッションを実施し、社員の育成も強化しながら進みました。
— さまざまなチャレンジの結果として、どのような変化・成果が生まれましたか。
まずは、FCというコンテンツを確立し、「ESOLA」を主軸にやっていく道筋ができたことです。
あらゆる施策にトライし続けるなかで、ある企業に『「ESOLA」というものをブランディングして全国に拡めましょう!』と、お話をいただき、業務提携を結びました。
そこから今期は30店舗出店を目標に、現在は「外食ワインシェアで日本一を獲る」という目標を定め、全力で進んでいます。
— 多角的な店舗経営からの切り替え。その分岐点はどこにあったのでしょうか。
何より“たくさん失敗した”こと。あらゆるアイデアに取り組むなかで、自分が「他のすごい経営者の先輩方と自分を比較しながら経営していた」ことに、気づきました。
「ホームランで一発当てなければ彼らに置いていかれる、だからホームランを狙わなければ」という意識。その結果、事業が拡散し、軸が何かわからない状態になっていたんです。一方で、成功している飲食企業の出店計画には、必ず一本の太い軸がある。
改めて自社を見直すと、「ESOLA」は時間無制限でワインを好きに選べるオリジナルのサービス。ここまで試行錯誤したからこそ、他にないオリジナルの強さが浮き彫りになり、「これしかない!」と、事業を絞り込む決心がつきました。
「すごい会議」を実施したからこそ、チャレンジするアイデアの数が格段に多くなったことは事実です。
なかには失敗するものもありますが、チャレンジしない限り成功も生まれない。成功のアイデアと失敗のアイデア、双方の数を絶対的に増やしたことが、ブレイクスルーにつなげる最大のポイントでした。
— その他にも得られた成果・成長があれば教えてください。
私が感じたのは人材成長で、一つは、若手社員の台頭です。幹部メンバー以外でも「準すごい会議」と称してセッションを実施し、問題解決力を高めた結果、準チームから、レギュラーメンバーに昇格する方も現れました。
また、もう一点、幹部メンバーの自走力の向上です。コーチの私が「問題の指摘ではなく、提案をしてください。」と、コメントするまでもなく、他のメンバーが「だとしたら、どうすれば実現できる?」と、自然と問いかけるようになった。
できない理由ではなく、解決策を導きだす、問題解決思考が浸透している証拠です。セッションを続けたことの大きな成果であり、いつの間にかコーチ要らずのチームになりましたね(笑)。
— なぜ、社員の方にそのような変化が生まれたのでしょうか。
やはり事実データに基づいた具体的なアクションを取ること、マイルストーンに落とし込んでコミットすること、PDCAを回し続けることなど、「すごい会議」のシンプルな仕組みが効いたんじゃないかな。
「どのようにすればできるか?」という「発言のフォーマット」も、口にし続けることで「自分たちがやらなければ」と、責任感を高めることにつながったはず。
おそらく、危機感もあったと思います。このままだと会社がうまくいかなくなるのでは、という不安とも言えるかもしれません。
そんななか、目標達成に向けて自分が果たすべき役割・仕事が明確になり、「FCでやっていく!」と決めたことでエネルギーが上がった。矢印が社長の僕ではなく自分に向き始め、責任感と自律心が芽生えていったのだと思います。
— 事実データを扱うことで、具体的にどのような変化が生まれましたか。
事実データを起点にすることで、問題の把握から解決策までのスピードと精度が大きく上がりました。
たとえば、僕の頭の中には数字がインプットされているとして、現場の担当者はどうか。事前に数字や事実データを集めて会議に臨むことで、解決策への展開は激変します。
当社のメンバーは根が真面目なうえ、「すごい会議」を通して危機感や責任感が生まれたことで、吸収力が上がった。大きな変化です。
ただ、会社とは、一朝一夕に変わるものではありません。数年かけて「確かによくなった」と言える状態を目指し、ここからも進みます。
— 記憶に残るセッションシーンがあればお聞かせください。
僕は、途中から意思決定者としてはセッションに参加せず、オブザーバーとして参加する形に変更しました。僕がいなくても組織が回る状態にする、その状況を生みだせるコーチがすごいと思います。
また、セッションと関係なくうれしかったのは、「この売上だけは死守したい!」というタイミングで、デルフィーコンサルティングの久保田さんと森さんが来店し、売り上げ面で貢献してくれたこと(笑)。あらゆる手段で協力してくれる、その気持ちがうれしいですよね。
「幹部を育成したい」というオーダーに対して、セッション中の意思決定を中元さん以外の他のメンバーに担当してもらうことを提案しました。
幹部社員の育成には、意思決定のプロセスを実際に体験してもらうことが効果的です。ただ、組織としての意思決定の軸はぶれないよう、中元さんにはオブザーバーとして参加していただきました。
幹部の方の成長につながりましたね。
— 幹部育成にフォーカスして、セッション構造を変更したということですね。
目指す組織目標や個人の役割が明確になった結果、途中から、人材育成によりフォーカスできるようになりました。
結果、「準すごい会議」のメンバーから20代のリーダー候補が育ち、今は役職者として昇進しています。キャリアアップへの図式が描けたことで20代が活躍する未来がつくれたことが新たな価値ですね。
僕が御社の強みとして感じるのは、スタッフの皆さんがとにかく受け入れてやってみるという、素直なあり方です。
「とりあえずやる」一歩を踏み出せるかどうかが、その後に非常に大きな違いを生み出します。
— 導入時に得たかったものは、期待に対して現状何%得られましたか?
導入当初から、数年のスパンで結果を出すと想定しており、まさにその途中なので50%かな。そこに向けた人材育成や基盤が整いつつある状態です。
ただ、いくら体制が整ったとしても人間なのでモチベーションは日々変動する。そこをいかにいい状態に保ち続けるか。
メンバーとのコミュニケーションを密にとり続ける、そんな継続力が必要ですね。必ず実現します。
— 今後の更なる展望や野望、夢についてお聞かせください。
武道館でライブという夢もありますが(笑)。今、進めているプロジェクトとして、全国に「ESOLA」をひろめ、ワインをより身近な存在にすることが目標です。たとえば、ワインで乾杯する文化を生み出すこと。
そのためにも、ワインシェア日本一を狙い、その先のステップとして、アジアなど世界に進出する可能性もあるかもしれません。
現在は、自社ワインの開発としてイタリアの生産者と組み、「美味しいワインを安く」提供できるよう進めています。他にもブランディングの一環で、インフルエンサーを使ってターゲットである20~30代女性に認知拡大できるよう、仕掛けを進めています。
ワイン市場はまだまだ伸びしろがある。首都圏だけでなく地方にも、この「安くて美味い」を、広めていきます。
— 最後に、どのような企業に「すごい会議」は合うと思われるか、お聞かせください。
企業の規模は関係しそうですね。たとえば、飲食店だと10店舗に拡大したときに、悩みだすというのが僕の実感。それまでとは問題が変わるんです。
当社の場合、1~3店舗くらいは非常に好調で、10店舗くらいから、何が悪いのかが見えにくくな理、問題が出てきた。
経営者一人では見切れなくなり、コントロールしにくくなる。業態にもよると思いますが、規模の拡大を考えている企業には、問題解決として機能するはずです。
— 本日はありがとうございました。
— 導入から約2年弱。「すごい会議」を導入されたきっかけと理由をお聞かせください。
具体的にこれが課題だと分かっていたのではなくて、漠然と、このまま行くとつまずきそうな良くない流れを感じていた時でした。2〜3年後の確かな跳躍に向けて何かを手に入れたいと思い、株式会社ギフト(旧(株)町田商店)の田川さんに相談しました。「それなら「すごい会議」を導入した方がいいよ。」と薦められ、トライアルさせていただいたのがきっかけです。田川さんは失敗されない方なので、この人が言うなら間違いないのかなと。
— これを実現したい、と感じた一番の要素は何でしたか。
幹部社員の育成ですね。その頃始めた焼肉事業が思うようにいかず、既存店の方も今ひとつな状況が起きていた中で、そこから2〜3年後の右肩上がりを目指したかった。それには僕の成長ももちろん大事だけれど、幹部社員の成長を促すことが確実に必要だと思ったんです。それを第三者が客観的に強いコミュニケーションで実現するという「すごい会議」の存在。自分では決してできないし、必要だと思いました。
— 実際のセッションではどのような問題解決を実施されましたか。
いかに良くない状態を脱し右肩上がりの成長を生み出すか。そのために模索し、何か本質の部分できっかけを見つけなくてはと、みんなで様々なことにトライしました。サービス改善、コスト改善、組織も変えましたし、とにかく事実データをもとに思いつくアイデアは全てやったと言ってもいいくらいですね。
— 様々なことにチャレンジし続けたことで起こった変化、得られた成果を教えてください。
まずは、FCというコンテンツを確立できて、「ESOLA」を主軸にやっていく道筋ができたこととですね。あらゆる施策にトライし続ける中で、ある企業さんに『「ESOLA」というものをブランディングして全国に拡めましょう!』とお話をいただき、業務提携を結ぶに至りました。そこから今期は30店舗出店を目標に、現在は「外食ワインシェア日本一を獲る」という目標を決めて進んでいます。
— 多角的な店舗経営から主軸にフォーカスした経営へ、その分岐点はどこにあったのでしょうか。
明確にあるのが、失敗も多く経験したということですね。色々とやってみて、これまで自分は、他のすごい経営者の先輩方と自分を比較しながら経営をしていたということに気づきました。結果、やはり軸がブレていたのだと思います。
一方でうまくいっている企業の出店計画を見ると、どこも基軸が一つ大きくある。改めて自社を見直してみると、そもそも「ESOLA」は他にない業態だし、「これしかない!」と決心できたんです。「ESOLA」は、かつて違う店舗を経営していた時に、ワインを自分で選べるようにして、合わなかったら捨てるくらいで時間無制限にしたら面白いんじゃないかと思いついて始めたオリジナルの業態ですから。
— その他にも得られた成果、感じた成長があれば教えてください。
私が良かったと思うのは人材の面で、まず一つに若手社員の台頭です。幹部トップメンバー以下のチームでも「準すごい会議」としてセッションを実施したことで、問題解決力を強める人材育成ができ、途中でレギュラーメンバーに昇格する方がいました。
そしてもう一点、幹部のメンバーが自ら動き出してくれている点です。コーチの私が「問題の指摘ではなく提案をしてください。」と入るまでもなく、メンバーの誰かが、「だとしたら、どうすれば実現できる?」と問いかける。できない理由ではなく解決策を導き出すための問題解決思考が浸透している証拠です。
— なぜ、社員の方にそのような変化が起こったと思いますか。
やはりPDCAを回し続けることと、事実データに基づいた具体的なアクション、それをマイルストーンに落とし込んでコミットするというシンプルな図が効果的だったんじゃないかな。「どのようにすればできるか?」という発言のフォーマットもそうだけど、「俺たちがやらなきゃ」という責任と自立心が芽生えたのだと思います。
役割が明確になり、「FCでやっていくぞ!」と決めたことで起動したあの感じは、大きな価値ですね。
( 取材日:2018年6月25日/場所:ESOLA渋谷店))
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