事業内容:
痛みの管理や骨粗鬆症の治療に特化する整形外科クリニック。最新の医療技術と専門的な知識を駆使して最適な治療プランを提案し、患者のQOLの向上に向けた定期的な検査やリハビリテーションを実施するなど総合的なケアを提供
— 導入から約10カ月、どのような課題を感じて導入いただきましたか。
「すごい会議」に興味を持ったのは、SBCメディカルグループ代表の相川先生が推薦されていたことがきっかけです。
私が解決したい課題は、業績の向上、分院展開の加速、人材採用・教育の三つ。業績を向上させるということは、それだけ多くの患者様の痛みを取り除けるということであり、患者様を受け入れるためには分院を増やす必要があるということ。結果、スタッフの確保が欠かせません。すべては連動しています。
— どういったビジョンのもとに、3つの課題解決を目指しましたか。
私が目指すのは、整形外科医が「痛みと骨粗鬆症」をなくす世界です。肩や首、膝、腰など、さまざまな痛みを抱える患者様は非常に多いにもかかわらず、今の日本の整形外科では、レントゲンやMRIを撮り、痛み止めと湿布を処方してリハビリを提案するか手術を提案するのが一般的な治療です。
ただ、それでは根本的な解決に至らないことも多く、私から見ると、しなくてもいい手術が行われているケースもある。もっと、あらゆる方法を駆使して「痛み」を根本的に取り除くべく、当院では、再生医療からハイドロリリースなど先進的な治療を積極的に取り入れています。
また、骨粗鬆症は早めの検査である程度予測と予防ができるにもかかわらず、検査率はこの10年以上ほぼ変わらず、加齢による骨折予防の手立てを十分に打てていないのが現状です。
超高齢化社会が加速するなかで重要なのは、健康寿命。整形外科医として「もっとできることがある」と痛感するからこそ、医師の意識を変え、患者様にも学びの機会を増やしていきたいというのが私のビジョンです。
— 導入後に、どのような変化が生まれましたか。
成長途中ではありますが、幹部メンバーが率先して動いてくれるようになりました。これまでは、私がすべてを決定して指示を出してきましたが、会議での彼らの発言を聞くと、どのメンバーもかなりの力を持っているとわかり、単に、私がその力を引き出せていなかっただけだと気づきました。
「すごい会議」では彼ら自身が目標達成に向けて考え、「これをやる」と宣言するので、仕事に責任感が生まれて行動が変わる。今までとの違いを感じています。
また、このクリニックの問題点や自分の本音を吐き出せる場としても、この会議はスタッフにとって大きな助けになっているはずです。
— 会議メンバーの成長を実感する、具体的なエピソードがあればお聞かせください。
先日、幹部スタッフ数名とともに、顧客満足度No.1を10年以上獲得し続ける大手企業の研修を見学したときのこと。
「スタッフの働きがいをどうつくるか」という、興味深いコンテンツに触発されたスタッフが、後日、会社に戻って社内で有志のプロジェクトを組み、「この組織をどうよりよくしていくか」と、自主的に動き始めてくれたんです。例えば、休憩室をリノベーションしたり、患者様向けのイベントを実施したり。
「すごい会議」以外のプロジェクトが約20個以上動いていて、彼らのやる気とエネルギーに驚いています。
この行動も、「すごい会議」でクリニックの未来を考える基盤があってこそ生まれた活動であり、何より、この職場に「働きがい」をつくりたいと思ってくれていることが、私としてはうれしい。組織の文化が少しずつ変わりつつあります。
— これまでの「すごい会議」の体験で、どのような発見がありましたか。
チームビルディングには、「承認」が効果的だと実感させてもらいました。「承認」をきっかけにスタッフのモチベーションが上がり、それがコミットメントに着地して業績向上につながる。今後は、「承認」の文化を醸成しながら組織の活気を高めていくことを目指します。
そこには私個人のチャレンジも必要で、例えば、私の価値観や経験から一方的に意見してしまうと彼らの意見を否定することになりかねない。もっと「傾聴」して「承認」し、任せる。そのプロセスを私自身が学ぶべきです。
小さなチャレンジから成功体験を重ね、失敗を恐れずに挑戦を楽しむ風土をつくっていきます。
— 「すごい会議」の体験により、ご自身はどのようにアップデートされましたか。
スタッフの能力の高さやクリニックへの思いを実感し、「もっと彼らに任せていいんだ」と、うれしく感じました。「すごい会議」の発言のフォーマットを共通言語にできたことで、私もスタッフも「リクエスト」しやすくなり、今まで以上に「任せる」「協力し合う」コミュニケーションが生まれています。
今後は積極的に彼らに「リクエスト」しながらも、私自身も彼らからの「提案」や「リクエスト」を今まで以上に受け入れていきたい。スタッフと一緒に成長していきます。
— 変化を感じる一方で、「すごい会議」を運用する難しさも実感されたと伺いました。
コミットメントを維持する難しさを実感しています。それは、KGIやKPIの達成に向け、決めたアクションを期日までにやり遂げる実行面の難しさであり、やり切ったとして成果が上がるかどうか、という結果面での難しさでもあります。
決めたことを実行しきれない原因の一つは、私自身。キャパシティを超えたタスクの多さに約束を守れず、他のメンバーにもそれが伝播してしまっていると自覚しています。プライベートも含め、この人生で成し遂げたいことのバランスをいかに取っていくか、私が向き合うべき課題ですね。
— 今後の成長に向け、特に改善を強化していくポイントをお聞かせください。
最大のボトルネックは人材不足。人の採用と育成、定着というすべてのフェーズの解決策が必要であり、解決に向けて試行錯誤を続けています。
スタッフが不足していることで、私やマネージャーは本来の役割に専念できず、採用活動も後手に回っている状態。今が一番厳しい状態と捉え、「すごい会議」で人材の問題解決にフォーカスしていきます。
— 梨木コーチは貴院の成長にどのように貢献していますか。
これまで何かとあいまいにして進んできた私たちを、「決め切りましょう」と促し、組織人として前進させてくれる存在です。
今までのコンフォートゾーンを脱して思考と行動を変える苦しみはありますが、だからこそ成長の機会になる。コーチがいるから、この挑戦を続けられています。
— 今後の貴院の成長に向け、ひとことお願いします。
最大の課題である人材課題は、育成を踏まえた中長期的な課題。業績の変化はその先にあるものだと考えると、目標達成への道のりはまだ半ばです。スタッフが輝き、やりがいをもって働くクリニックにしていくために、「すごい会議」で問題解決を続けます。
— ありがとうございました。
( 取材日:2024年7月6日、場所:イノルト整形外科 藤沢院、インタビュアー:渡辺恵)
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