CASE STUDY

IPO実現への変革と挑戦。
“ワンチーム”で上を目指す組織づくり
IPO実現への変革と挑戦。“ワンチーム”で上を目指す組織づくり

コクー 株式会社 代表取締役CEO 入江 雄介

事業内容:

『人財×デジタル事業』を軸に、労働人口減による人手不足を「人財」と「デジタルテクノロジー」で解決し、企業の成長・発展ならびにより良い社会に貢献することを目的に「ITインフラ事業」、「EXCEL女子事業」、「デジタルマーケティング事業」、「RPA事業」、「REALVOICE事業」の5つの事業を展開。様々な新しいサービスを創造し提供、4年連続『ベストベンチャー100』受賞。2019年の創業時より、理念共感型経営を徹底


課題: 事業拡大成長, 人材課題(従業員育成・人材採用), 売上・営業課題
規模: 100名〜1,000名

上場を目指し、イノベーションを起こす

— 導入を決めたきっかけを教えてください。

( 入江 )

実は、10年ほど前にも「すごい会議」を1日だけトライアルしています。ただ、当時はまだコクーの前身の会社で、事業の方向性も曖昧な状態。「今じゃない」と導入を見送りました。

今回、梨木さんとお会いしたのは全くの偶然で、当社がIPO(新規上場)を目指すと決め、資金調達に取り組み始めたタイミングでした。

「IPOに向けて何かを変えたい。イノベーションを起こし、組織を団結させなくては。」

そう考える中で、ストレッチ目標を立てて問題を見つけ、外部コーチの伴走と共に改善する「すごい会議」の仕組みに、目標への実現可能性の高さを感じて導入を決めました。

— IPOを視野に入れ、どのような課題解決が必要だと思われましたか。

( 入江 )

まず目標売上の達成です。達成への道筋や方法の解像度を上げたかった。

他には、役員の視座を高め、組織力を強化する。また、社員同士の仲が良い一方で緊張感がないとも言えたので、外からの刺激でメリハリをつける狙いもありました。

      

ワンチームで上を目指す仕組みづくり

— 導入後は、どういった成長や変化を実感しましたか。

( 入江 )

一番うれしかったのは、社員が目標達成に向けて『One(ワン)コクーとして上を目指そう』と考え始めてくれたことです。当社は事業部制を敷いており、以前は『部のパフォーマンスを上げる』ことに各自がフォーカスしていましたが、今は『全社のパフォーマンスを上げる』という全社視点かつ“全体最適”の意識を持ってくれています。

また“全体最適”の結果、組織も再編成しました。各部署に存在した“人財採用”“セールス”の2つの業務を切り出し、独立した全社組織にすることで、縦割り組織を横軸でつなぐ構図が完成。部署間に協力体制が生まれ、リソース配分の最適化、ナレッジの共有、業務効率化など、これまでにない良い変化が生まれました。

個々人の意識も変わりましたね。“仲が良く、風通しも良い”だけでなく、“みんなで目標に向けて頑張ろう。きっちり成果も出そう”というように。

— 役員メンバーの視座という点は、いかがでしたか。

( 入江 )

先述のように、“全体最適視点”への変化がその表れです。全社のパフォーマンスをゴールに据えた、経営意識を感じます。

D 梨木 )

顕著だったのは、ある事業部の責任者の方が3年かけて育てた部を離れ、セールス部門の責任者になったときの変化でした。発言や行動に“全社”へのコミットが表れ、周囲にも影響を与えていらっしゃいましたね。

          

— それらの変化・成長は、何を起点に起き始めたと思われますか。

( 入江 )

この会議の”仕組み”が大きいんじゃないかな。理想の未来から逆算した全社目標を立て、マイルストーンを置き、毎月の会議で問題にアプローチする。週次でコミットメントを追い、進捗を確認する。

全社目標とのギャップをリアルタイムで数値化して先手が打てる仕組みに、全員が実効性を感じたはずです。

会議に臨む意識も、会議=“報告の場”から“問題解決の場”へとアップデートされたので、“仕組み”と“使う人間”の両輪が進化した結果だと思います。

D 梨木 )

問題が把握しやすい仕組みができたことは大きいですね。進捗状況をもとに着地見込みを算出できる管理法を考案されるなど、積極的に使いこなしていただいた印象です。

現場メンバーはもとより、入江社長も現場課題を早期に把握できる、良い構造ができたのではないでしょうか。

成長率133%。問題解決の土台ができた

— 売上への成果やインパクトはいかがでしたか。

( 入江 )

売上の成長率が、導入前が118%。導入後は133%に伸びました。目標には届きませんでしたが、来期につながるヒントや目標達成への基礎をインストールできたことに、大きな意味を感じています。

そもそも当社のビジネスモデルは、人を採用してデジタルスキルの高い人財へと育成し、顧客先に常駐してDXの支援をするというもの。

採用が止まっても、顧客へのセールスが止まっても成長リスクになります。だからこそ、この2領域を特に注意深く管理し、問題解決し続ける必要がある。

そこに対するデイリーやウィークリーの管理法、進捗に応じた対応策の備えなど、問題解決の基盤が整ったことは、来期への確かな布石になりました。

源は、信頼を生むコミュニケーション

— 入江社長は、コーチのどのような点に特に価値を感じましたか。

( 入江 )

梨木さんは成果に強くコミットしてくれる。その上で、メンバーと1on1で丁寧にコミュニケーションしてくれる点が良かったですね。

月に一度の会議の場だけでなく、彼らと組織の根本的な成長に向け、体温のあるサポートをしてもらえたからこそ、信頼関係を築けました。

D 梨木 )

メンバーの方とのコミュニケーションには、いくつかの目的があります。まず、目標に向けてブレイクスルーを起こすには、メンバー個々人が成長する必要があるので、そこを後押しするコーチングの意味合い。

“会議では口にしない(できない)本当の気持ち”をヒアリングして把握する目的。また、プランニングと実行のスピードを上げるために、実行側の方と歩調を合わせる狙いもありました。

— 社内の誰かではなく、コーチがコミュニケーションすることの価値とは何でしょうか。

( 入江 )

例えば僕が彼らに意見すると、それはノーと言えない状況を生むことになります。社外コーチの言葉だからこそ、客観的な意見として受け止めやすく、社員も素直に意見しやすい。僕とメンバーの、良い意味でのコミュニケーションハブになっていただきました。

細かなコミュニケーションが信頼を生み、効果を後押しする。月に一度の会議だけでは、今ほどの価値は感じなかったかもしれません。

『問題は金脈』 。手法には必ず意味がある

— 入江社長ご自身が「すごい会議」によって変化した点を教えてください。

( 入江 )

実は、僕は型にハマるのが苦手なんです(笑)。「すごい会議」は決められた“型”ありきの手法なので、最初はストレスでした。でも僕がやらないとメンバーもやらないし、思うような結果も出ない。

その点を梨木さんに伝えられ、改めて「決められた型通りにやる」と、次第にうまく回り始め、いつしか慣れて僕らの“当たり前”になった。型には型の意味がある、僕自身の反省であり、貴重な経験でした。

— 手法の中で、効果を感じていらっしゃるコンテンツを教えてください。

( 入江 )

「すごい会議」のワークブックに書かれていることは、真似したいことばかり。特に『問題は金脈』という考え方は、周囲にも頻繁に伝えています。

ミッション、ビジョン、KGI、KPIを決めて問題を抽出し、アクションプランを立てて実行する。この流れも全社共通のフォーマットにしましたし、Zoomなどのリモート会議で使える問題解決のステップも、カスタマイズして活用しています。全社で共通言語化して浸透させていくことで、強みになるはずです。

『成果』にこだわり、確かな“違い”を生み出す

— 来期も導入を継続されるとお聞きしました。2年目の活用の狙いを教えてください。

( 入江 )

自分たちだけでも、ある程度の運用はできると思います。しかし僕もメンバーも、客観的な存在であるコーチに入ってもらう方が『成果』へのブレイクスルーが加速する、と意見が一致しました。

当社の社名の由来である“一人ひとりの個『CO』が、会社を担う最高執行責任者『COO』として、圧倒的な当事者意識を持って取り組んでいく”という基本姿勢は、カルチャーとして浸透しています。

「自らやる」という自主自律性のある土壌に、パフォーマンスを上げる仕組みが整った。これからは『成果』にこだわるのが、継続の狙いです。

— 来期の新ターム開始に向けて、コーチに期待することは何でしょうか。

( 入江 )

経営指標として重要な“人財採用”“セールス”の2領域によりフォーカスし、スピード感を持って『成果』を上げるサポートをしていただく。これに尽きます。

それぞれにセッションチームを設ける予定ですが、僕はメンバーに入らなくてもいいと思っています。意思決定を他のメンバーに任せれば、その場のトップとして、視点や発言にも変化が出るはず。役職が人を育てる、その成長も見てみたいですね。

— 「すごい会議」そして梨木コーチは、どんな組織にマッチしそうですか。

( 入江 )

過去から現在までの延長線上ではないような成長を目指したい、圧倒的にブレイクスルーしたい、でもやり方はわからないし自社では限界、というような組織でしょうか。

「変える」「チャレンジする」という意識、行動に合うと思うので、現状を壊して一気にインパクトを出したいといった伝統企業の転換期にもマッチしそうです。

デジタル人財育成で未来への架け橋に

— 御社の今後のビジョンを教えてください。

( 入江 )

当社は「デジタルの力で、ダイバーシティ&インクルージョンがあたりまえの社会を創る」をパーパス(存在意義)に掲げています。

日本の少子高齢化の加速に伴い、労働需給ギャップは今後さらに深刻化します。僕らは、あらゆる属性の人がライフスタイルに応じて働けるよう、手に職としてのデジタルスキルを身につける架け橋として、自由に、ハッピーに働く社会づくりに貢献していきたいと考えています。

ダイバーシティ&インクルージョン実現に向けた“ステップ1”として、まずは女性活躍推進に力を入れ、女性活躍推進企業No.1を目指します。そしてIPOの実現、売上60億への成長。

そして、何より理念としての“社員満足なくして顧客満足は成しえない”の考えをもとに、社員満足度No.1も目指し、仲間と共に、大いに社会に貢献し続けます。

— ありがとうございました。

( 取材日:2022年6月)


               

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