CASE STUDY

多角化経営に必要なのは、
経営者と同じゴールを目指せる”自律人材”の育成
多角化経営に必要なのは、経営者と同じゴールを目指せる”自律人材”の育成

医療法人社団七海会 あおぞらクリニック
理事長
内田 千秋

事業内容:

「患者さんの不安を取り除けるクリニック」を目指し、性感染症内科を専門とした医療施設を新橋・新宿に開院。匿名検査やオンライン診療を導入し、院内には待合室から診察・検査まで男女別々のスペースを設置。他の患者に会話が聞こえない特殊な音響システムも装備する。コロナ禍にPCR検査が可能な検査専門の会社を立ち上げるなど、事業多角化を実現している。


課題: 事業拡大成長, 人材課題(従業員育成・人材採用), 売上・営業課題
規模: 10名〜30名
業界: 医療クリニック業界

スタッフに、自分と同じ方向を向いてほしい

— 「すごい会議」導入のきっかけを教えてください。

( 内田 )

きっかけは、いしがみ整形外科クリニックの石神先生のSNSへの投稿です。彼のクリニックで「すごい会議」を導入したところ、『すごい』成果が出ていると。しかも湘南美容外科クリニックの相川院長も導入されていたという投稿を読み、すぐにコメントしました。

— どんな課題を解決するために、導入をご検討いただいたのでしょうか。

( 内田 )

大きくは二つです。一つは、スタッフに私と同じ方向を向いて行動してほしいということ。スタッフとの関係は決して悪くはなかったと思いますが、それは私の一方的な感覚。改めて、私の価値観や目指す方向性を彼らに伝えていくことも必要だと思ったんです。

もう一つは、売上の向上でした。

— コーチとの会話では、何が導入の決め手になりましたか。

( 内田 )

やってみたいというのが前提にあった上で、梨木さんとお話する前にデルフィーの久保田さんと会話をしました。

すべての障害やストレスを除いたとすると、月にどれだけの売上が見込めそうですか?」という質問に、当時の月商の倍近い数字を口にした記憶があります。

無茶といえば無茶な数字なので、難易度は実感しつつも、その売上が実現できるといいと思ったのも決め手の一つでした。

会議の場で生まれる信頼関係

— 導入後に生まれた成果・変化についてお教えください。

( 内田 )

まず、私の描くクリニックの方向性がスタッフに伝わっている実感があります。方針を理解した上でのスタッフの行動、やる気の発掘、個々人の考える力、主張する力も底上げされました。

そしてもう一点、ビジネスパートナーとして経営から現場業務までを一貫してサポートいただいている方がいるんです。彼にも「すごい会議」のセッションに参加してもらったことで、彼とスタッフとの意思疎通が加速し、強い信頼関係が生まれました。

アイデアを具現化して課題解決するという点で、現場をけん引する彼の存在は非常に大きい。私がいなくても現場を任せられる状態をつくれたのは、彼を中心とした関係構築ができたからこそ、です。

— スタッフの方に変化が生まれたポイントは、どこにあると感じていらっしゃいますか。

( 内田 )

「すごい会議」のいいところは、“自分で考えさせる”プロセスを踏むところです。以前は私が一方的に指示していましたが、自分で考え、自分で決めたことの方が、本人のやる気も増します。

現在は、院内の月に1度のミーティングの場でも、私はなるべく発言を控え、代わりに参加者全員が2回は必ず発言するというルールにしました。

セッションメンバーだったスタッフが積極的に発言してくれるので、周囲も刺激され、促される。主張する風土ができつつあります。

D 梨木 )

“全員が紙に書いてから発言する”というシンプルな手法が、変化へのトリガーの一つです。そして“内田先生が意思決定をする前に、みなさんは言いたいことを出し切ってくださいね”という、意思決定の手順もその一つ。

考え、主張することの訓練と習慣化によって、違いが生まれていますね。

— 「社内会議では、必ず全員が発言する」と、決めた意図を教えてください。

( 内田 )

私がいなくても動ける組織であってほしいんです。既に、クリニックの現場は私がいなくても回せる状態になりつつあり、私はその時間を新規事業に費やすことができています。この状態をもっと強化していきたい。

「すごい会議」を通じて、人は“自分で決めたこと”に対しては主体的に動き、本人の中にも強く残ると実感したからこそ、考え発言する場を意図的に設けています。

価値観の共有で“組織の下地”をつくる

— 売上の問題解決については、いかがでしたか。

( 内田 )

導入して1年未満でコロナ禍に突入し、現場どころか社会も混乱状態。人手不足もあって、セッションは中止せざるを得ない状況でした。

コロナ禍のような特殊な状況下では、早い判断と意思決定が命運を左右します。早々にトップダウンに切り替え、最速でPCR検査の検査設備を開設しました。検査会社をつくる構想は以前からあった中で、コロナ禍の需要と重なり、実現に踏み切った形です。

この判断が功を奏し、セッションの実施中には届かなかった目標も、その後、検査会社の売上を含めて達成。予定とは異なるものの、確かな成長が手に入りました。

D 梨木 )

コロナ禍の特殊な状況下でいかに事業を転換するか。先生の中のアイデアを整理、具現化し、機会創出につなげる場として、セッションの停止以降も個人セッションという形で数回実施させていただきました。

— コロナ禍でのトップダウンへの切り替えにおいて、「すごい会議」の経験は、どのように活かされましたか。

( 内田 )

コロナ禍以前に、クリニックの方向性をスタッフに伝えることができていたので、緊急時のトップダウンにも彼らは素早く順応し、私の想いを汲み取って動いてくれました。

私とスタッフ、ビジネスパートナーという三者の信頼関係が構築できていたことも、スムーズに事が進んだ要因だと思います。コロナ禍以前に「すごい会議」で組織の下地がつくれていたのは、幸運でしたね。

D 梨木 )

内田先生が想いを直接「伝える」ことはもちろん、先生が何を考えて意思決定し、時に逡巡しているのかというプロセスを、セッションを通してみなさんが見てきたことも、意思疎通に有効だったと思います。

達成への問いが、組織をひとつに

— 導入時の期待は、どの程度手に入りましたか。

( 内田 )

最大の目標である、スタッフが“同じ方向を向く”という状態は達成され、育成は今いる人材に受け継がれています。

当時は達成できなかった売上も、のちに実現できたことで、期待はほぼ手に入ったと言えそうです。

— 予想外に良かった体験・効果としては、どのようなものがありましたか。

( 内田 )

私が都度言うまでもなく、梨木さんがコントロールしながら、スタッフを目標に向かわせてくれる点です。

D 梨木 )

全体の目標を決めた後は、基本的には「目標を達成に向けて何ができますか?」「どのようにすれば達成できますか?」ということのみを起点に、我々は質問します。

目標さえ、先生が目指す状態に設定できていれば、全てのアクションが自然とゴールに向かう仕組みなんです。

— PDCAなどのシステマチックな手法については、いかがでしたか。

( 内田 )

私は直感型なので、実は、手法の類はあまり好きではないんです(笑)。

一方で、だからこそ現場スタッフがそういった手法を活用して問題解決を進めてくれることは、組織の装備として心強い。彼らがマスターしてくれることに価値があります。

事業の多角化を自律型組織で実現

— 経営者の方に「すごい会議」をおすすめする場合、何とお伝えしますか。

( 内田 )

自分の考えをスタッフに繰り返しプレゼンテーションするまでもなく、スタッフ自身が経営者と同じゴールを目指し、一緒にそこに向かってくれる。それが一番です。

— 今後のビジョンを教えてください。

( 内田 )

クリニックの経営と共に、検査会社や医療機器の製造会社にも新たに着手しており、それぞれにビジョンを持っています。

コロナ禍でPCR検査だけを簡単に実施する検査会社も増えましたが、当院は、臨床検査技師をしっかり抱えながら検査・管理していける会社を目指します。コロナウイルスが落ち着けば、他の医療機関に対する検査や健康診断なども扱っていきたい。

医療とは異なる事業への構想もあり、全てを実現するには、私がいなくても事業が回る自律型組織が益々不可欠になりそうです。

— ありがとうございました。

( 2022年5月)


               

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