事業内容:
株式会社永井として、広映堂スタジオ(東京都東久留米市)、フォトスタジオチェルシー(埼玉県入間市)など地域に寄り添う写真館を展開。七五三・成人・ウエディング・マタニティ・お宮参り・家族写真などの大切な思い出を、撮影インテリア&衣装ヘアメイク完備のスタジオから生み出す
— 写真館のビジネスをされている方向けに主催した「すごい会議」セミナーにご参加いただいたことが導入のきっかけと伺いました。
「すごい会議」については全く知らず、あくまで情報収集の一環として、軽い気持ちで参加しました。
それまで写真業界にしか触れてこなかったので、セミナーに参加したことで他業種の情報を得られるメリットや、自社の足りない点に気づかせてくれる可能性を感じ、「すごい会議」についてもっと知りたいと思ったのがきっかけです。
— 導入を検討いただいた際、コーチに期待したことを教えてください。
僕は2009年の店舗オープン以来、このフォトスタジオチェルシーを”常に変化し続ける写真館”にしたいと考えてきました。
ただ僕は社長ではないので、全ての理想を自由に実現できるわけではありません。そこで外部の方の力を借り、社長への答申力を高め、変化のスピードを上げたいというのが当初の狙いでした。
しかし、梨木さんと会話する中で、他者に解決してもらおうとするのでなく僕自身が成長し、僕の責任で意思を通していくべきだと意識が変わっていったんです。
— 変化し続けるための手段として、なぜ「すごい会議」を選ばれたのでしょうか。
同業他社がどこも導入していなかったから、ですね(笑)。
写真業界専門のコンサルティングもありますが、撮影方法や売り方を変えるマイナーチェンジが多く、他の写真館と似通って終わる気がしたんです。それよりもっと、他業界を含めた、新たな視点が欲しかった。
写真館と「すごい会議」はカルチャーが違う感じたからこそ、きっと他社はやりたがらない。「ならば、やろう」と(笑)。
正直、安くない金額でしたが、安売りしないからこそ挑戦する意味を感じたし、逆に、他社が導入していて安価だったとしたら、導入しなかったかもしれません。
— 導入によって、手に入れたいと思ったことを教えてください。
根底にあるのは、“楽しく”働きたいという思いです。売上はもちろん必要ですが、売上が良くても、人間関係が悪ければ僕にとっては意味がなく、『ご飯を一緒に食べたい』と思う仲間と、気持ちよく仕事することが最優先。
そのためにも、何より職場環境の改善を重視したい。
本社の写真スタジオで店長をしていた際に、職場環境が原因で年間20人ものスタッフが退職してしまうという苦い経験があり、状況を変えられなかった悔しさから、“人と環境を何より大事にする”と決めました。
— 「すごい会議」を導入することで、端さんが考える「楽しさ」をどう実現できると想像されましたか。
ただ“スタッフの仲が良い”ということではなく、一つの目標に向かって全員が結集し、各々が心に使命のようなものを抱いた上で、力を合わせてゴールを目指す。その結果、チームとしての絆と目標達成を得られる。そんな素晴らしいイメージが湧き、ぜひ実現したいと思いました。
— これまでの2年間、どのようなプログラムで「すごい会議」を実施したか、教えてください。
僕がセッションを実施したのは、実は、最初の1年間のみです。目標作成から、達成への思考・行動・仕組みの基礎土台をインストールさせていただきました。
2年目の現在は、年間目標の作成までをサポートし、以降は、みなさんご自身で「すごい会議」を実施し、達成を目指されています。
導入にあたって、弊社の社長と『契約は1年限定にする』と約束していました。そのため、今は僕ら自身で、月に一度の問題解決会議を3時間、プラス週に一度の進捗会議を実施しています。
ただ、やはり身内だけでは緩んでしまうので、3ヶ月に一度は梨木さんとミーティングさせていただき、毎週の進捗会議も写真で共有する形でサポートいただいています。
梨木さんは、僕の知らない情報や他業界の刺激を吹き込んでくれる大事な存在。関係は切りたくないんです。
— コーチが不在でも「すごい会議」を実行し続ける理由、継続の秘訣を教えてください。
僕たちにとって必要性が増しているから、というのが最大の理由です。会議の仕組みが日常に定着し、欠かせないものになっているからこそ、自分たち流にカスタマイズして続けています。
とはいえ、梨木さんがもたらしてくれる緊張感や的確な質問は、決して再現できません。「梨木さんだったらどう言うだろうか」と考える。やはりコーチの存在は大きいですよ。
— 実際に導入して、どのような変化が起こりましたか。
導入当初、この会議の存在はスタッフにとって大きなストレスだったと思います。
スタッフの仕事は、お客様の着付けや撮影、制作販売など、あくまで現場業務。目標数字や期限を決めてPDCAを回す、という習慣はなく、全てが初めてです。
通常の接客業務をしつつ、慣れない数字にも追われる。物理的にも精神的にも、オーバーワークでキツい状態が2ヶ月近く続きました。
— 慣れない習慣とオーバーワークのストレスを、どのように解決されましたか。
オーバーワークな状態を、「すごい会議」流に「どのようにすれば解決できるか」と思考することを梨木さんから提案され、『なるほど』と、すぐに実行しました。
問題解決思考に転換してからは、撮影時間の調整など、試行錯誤を繰り返すことで徐々に業務状況が改善。自然と日常に数字意識が根付き、仕事と「すごい会議」の両立も可能になりました。
「どのようにすればできるか」という思考で今日まで多くの改善を繰り返した結果、働き方が変化して生産性が上がり、業務そのものの質も上がっています。
— これまでに手に入った成果について教えてください。
3つ挙げるとすると、まずは売上です。1年目で昨対110%、2年目の今はコロナ禍ですが更に115%伸びています。
そして2つ目に、同業他社とは圧倒的に違う改善の仕組みがあること。
3つ目は僕自身の考え方の変化です。
— 売上向上へのトリガーは何だったと感じますか。
導入時は職場環境の向上を重視していたため、売上はそこまで求めていませんでした。しかし、初日に年間の目標を立てた時点で衝撃を感じたんです。
梨木さんに、“欲しい売上”を質問されるうちに、これまでの目標売上は“欲しい数字”ではなく“できそうな数字”だったと気づいた。
そして大事なのはそこから。数字だけを眺めていると無理難題に思えても、分解して具体的な行動に落としていくことで、頑張り方が見えてくる。「できる」気がしました。
目標をつくる意味を実感したことが、売上アップへの一歩だったと思います。
— 「圧倒的な改善の仕組み」についても、具体的に教えてください。
週に一度の60分の進捗会議、これが何よりの仕組みです。
最初は、週に一度は頻度が多すぎるように感じましたが、今となっては必要不可欠。気になったことをメモしておき、週に一度会話する。
スタッフにとっては「こんなことがしたい!」と問題提起&解決できる場になっていて、60分で解決しない問題は、月に一度の自社内「すごい会議」に持ち越します。この仕組みが改善のスピードを上げているのは間違いありません。
日常業務に追われる中で、進捗会議は思考を働かせる装置。定期的に“考える場”があるのは、大きな救いです。
— 端さんご自身が感じた、「考え方の変化」について教えてください。
これまでカメラマンとして生きてきて、他業界については全くと言っていいほど触れてこなかったし、むしろ『僕には必要ない』とすら思っていた気がします。
でも梨木さんと出会い、異業種の方の話を聞く機会を得たことで、自分の世界の狭さを痛感しました。と同時に、視野が広がる感覚があり、新たな刺激に触れる体験を素直に面白いと思ったんです。
— スタッフの方の変化は、どのように実感されていますか。
会議を通して、PMO(Project Management Officer)として積極的にプロジェクトをマネジメントし、推進してくれる心強いスタッフが育ちました。
また、人材育成を任せている入社2年目のスタッフは、言われてやるのではなく、自主的に考えて積極的に提案する在り方へと成長してくれています。
会議の場での問題解決が、“みんなで考え、解決する”行動を後押ししてくれています。
— 「人」を大事にされる端さんにとって、一番嬉しい変化とは何ですか。
スタッフのみんなが、店舗をより良く変えたいと思ってくれていることです。今後もこの職場を、彼らにとって、よりストレスフリーな状態に改善していきたいし、一緒に変えていきたいと思ってくれる仲間を大切にし続けたい。
今は、スタッフみんなが、この店舗を好きでいてくれている状態じゃないかな。
— 梨木コーチへの信頼ポイントを教えてください。
まず、人として好きなんですよね。理屈でなく、梨木さんだからお願いしたんです。今でも毎週の会議を続けているのは、梨木さんに「良いところを見せたい!」というのもあるかもしれません(笑)。
真面目に、僕たちに誰より真剣に向き合ってくれているので、信頼しかない。
梨木さんのコーチとしての成長が、僕の成長にも直結すると思っています。
— 端さんが理想とされる、今後の成長ビジョンを教えてください。
僕の理想は、多店舗展開でなく、1店舗の売上を充実させる店づくりです。
多くの写真館は、売上を伸ばす=「店舗数を増やす」構造で、例えば、1店舗で5億円の売上がある写真館は今のところ存在しません。だとしたら、「どうすればそれができるか?」と考えることにワクワクするし、簡単には実現できないからこそ面白さを感じる。
僕が多店舗展開に抵抗を感じるのは、理念や想いの密度が薄れていく感じがするからなので、もし、密度を保ちながら信頼する仲間と店舗を展開できる未来があるならば、それも面白いかもしれません。
『職場環境を徹底的に良くした結果、おまけとして売上がついてきた』。それが理想であり、きっと新たなビジネスの可能性につながると、信じています。
— ありがとうございました。
( 2021年3月)
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