CASE STUDY

良い目標とKPIが、経営を変える。
チャレンジこそ「必要とされる会社」への礎
良い目標とKPIが、経営を変える。チャレンジこそ「必要とされる会社」への礎

リスト株式会社
代表取締役CEO 兼グループ代表
北見 尚之

事業内容:

不動産仲介からマンション・戸建住宅の企画・開発・分譲、不動産投資運用業、商業施設・ビル管理など多角的に展開する総合不動産グループ。「関わる全ての人に満足を超えた感動と、時代を超え世代を超える価値を提供する」という経営理念に基づき、神奈川・東京・ハワイ・東南アジアで事業を展開。72の国と地域に広がるネットワークを駆使するグローカルカンパニー。


課題: 事業拡大成長, 人材課題(従業員育成・人材採用)
規模: 1,000名以上
業界: 不動産建築業界

ホールディングス化で拡大。各社の自立が課題

— 2016年に導入いただいたきっかけを教えてください。

( 北見 )

2016年にホールディングス化したことで、各事業会社が“今後の目標をどう据えていくか”を見失っている印象があり、各社を自立できる状態にしたいと思ったのがきっかけです。

相川さん(湘南美容クリニックグループ代表)からの久保田さんの評判の良さと、実際に「事業を拡大しながら自分たちで回していけるようになった」と聞いて、導入しました。

必要なのは、同じゴールを見て進化し続けられる人材

— 導入から4年間継続的に実施いただき、どのような効果を感じていらっしゃいますか。

( 北見 )

まず、“突っ込んだ”会議ができる点がいいですね。自分たちだけではどうしても甘くなってしまうし、自社だけに目が行きがちになります。そこを外部のプロコーチが入ることで、冷静に俯瞰して他の企業や社会全体に目を向けられる。基準値が上がるのを感じます。

— 人材面ではどのような変化がありましたか。

( 北見 )

良い意味で人材が精査されました。

「すごい会議」はグループ各社のトップメンバーを集めて実施するので、各社の甘さが浮き彫りになります。目標達成へのKPIを決めて数値管理をしていく中で、達成に向けて実際に行動できる人間か否か、が、明白になる。

そして、会議の場で“今後の会社の方向性”を明言することで、それに賛同する人だけが残る仕組みです。大事なのは、この会社がいかに“社会に貢献して利益を上げるか”、なんです。

いくら個人のパフォーマンスが高くても、個人の利益を最優先に考えるようではミスマッチ。方針に賛同できる人材でなければ、一緒には進めません。

今、良い人材で構成できているのは、数年を経てこの会議でさまざまなことを試したからこそ。必要なプロセスでした。

— 人材の入れ替わりや離職は、一見良くない変化にも聞こえますが、御社にとっては違うということでしょうか。

( 北見 )

むしろ、『やっと楽になってきた』という感覚です。

今までは、目標に向けて組織として一丸となる前に、グループ内での見え方や社内の影響力など、トップたちが政治的要素で競っている印象すらありました。そうしたノイズが減り、目線が合ってきたからこそ目標にまっすぐ向かえる実感がある。

30年経営してきた今、この会議は“組織をリセットして再構築する場”になっているかもしれません。

D 久保田 )

現メンバーの方の空気感は、以前と比べて明らかに違います。前向きなムードで、成果を生み出す行動が見受けられます。

“良い目標“ ”良いKPI”が、良いチームをつくる

— 社長が「楽になる」、良い状態を生み出したきっかけは何だと思われますか。

( 北見 )

良い目標正しいKPIをつくることですね。「これだ」と思える目標とKPIが見つかったので、会議メンバーも気持ち良いんじゃないかな。

あと、若手が動き出していることも大きいですね。以前は、上の人間に対して意見しにくい雰囲気がありましたが、コーチがいることで若年層も発言しやすくなり、若いからこそ、自分を柔軟に進化させる成長が見える。良い人材が目につきやすくなりました。

D 久保田 )

会議を拝見していて、北見さんご自身の“聞き方”が変わったな、と感じた瞬間がありました。

( 北見 )

色々な社員と話して、『もっと、やりたいようにやってもらおう』と思ったんです。バッターはバッターボックスに立ってこそ、ヒットを打つ方法を必死で考える。やりたいことをやってもらう方が結果に繋がるならば、“やりたいこと”を実現できる目標を作り、KPIに落とす。それが一番達成に近いのでは、と思ったのがきっかけでした。

— “良い目標”、“良いKPI”とはどのようなものか、教えてください。

( 北見 )

売上・利益の明確な数字と、そこに向かう指標としてのKPIが、一直線でつながる状態です。もちろんKPIは、進みながら随時最適化して変えていく必要があります。

D 久保田 )

「すごい会議」では、毎年新たな目標を設定し、それに伴ってKPIも設定し直します。

昨年末のセッションで、「御社の問題はこれだと思います」と僕から見える問題をお伝えし、一体化して運営していた東京と神奈川のプロジェクトを、根本から分断するご提案をしました。

( 北見 )

うちは元々横浜で会社を興し、神奈川ではNo.1だという自信があります。社員たちもその自負があるからこそ、その勢いで東京に行く。けれど、そのやり方で成功できる人間は少ないのが現実。横浜と東京では、別の売り方をしないと勝てないんです。

そこで「どんな行動を取るべきか?」をKPIに設定したところ、さまざまなことがフィットし始めました。

KPIには、ブランドを体現する行動を組み込む

— どのようなKPIを設定したか、教えていただけますか。

D 久保田 )

当初は、「KPIとは何か?」を、チームとして正しく理解されていなかった可能性があります。数値管理をしてはいても、なぜ目標を達成できないかというと「景気の変動があって…」とか「環境要因で…」とか。

それは単なる言い訳です。鍵となる指標が正しく定められていないと、言い訳を生む循環が起こり得ます。

( 北見 )

会社として意図した成果を出し続けるには、ゴールの数字を決めるだけではダメ。

ゴールから逆算し、かつ対外的に表明している会社のブランドと照らし合わせた上で“どう行動して受注に繋げるか”の方法へと落とし、KPIに分解する必要があります。

例えば、今回、東京では『1億円以上の物件を扱う』というKPIを設定しました。その価格帯のお客様は、自宅の次はビル、その次はハワイ。というように繰り返し購入してくれるので、弊社の海外ネットワークの強みも生かせます。競合他社も少なく、マーケティング結果からもこの戦略は効果的だと見えているので、東京では“弊社のブランドを、そう体現する”と決めたんです。

ところが、売上利益など、ゴールの数字だけを決めてKPIを定めないと、安い物件も売りたくなってしまうんです。なぜなら、その方が目先の数字は積み上がるから。でも、それだと先々に連鎖していかないし、何よりブランドと連動していかないので意味がない。KPIの設定が肝でした。

— KPIを変更して、どんな違いを実感されましたか。

( 北見 )

目標達成への効果を実感しています。東京は、今のKPIに決めてから良い方向に進んでいますし、試行錯誤して問題が見えたからこそ、フィットする指標が見えてきたのは確かです。

D 久保田 )

会話では「1億でやろう」と合意していても、会議の場でいざフタを開けてみると、現場が売りやすい4,000万円の物件を売っていた、という事実もありました。でも「それはブランドストーリーにも、売上効率にも反するのでやめましょう」と意思決定して修正していくことで、今、徐々に北見さんが目指す状態へと転換しつつあります。

( 北見 )

KPIを決めると、達成のためのアイデアも自然と変わってきます。例えば、今のKPI達成には、『大使館の駐在員向けのルートを開拓しよう』など、ターゲットを明確にしたことで打ち手も変化しています。KPIの設定がいかに重要か、です。

「本当にそれでいい?」コーチの問いが起点になる

— 「コーチの価値」はどんな点にあると感じていらっしゃいますか。

( 北見 )

久保田さんは、客観的な審判ができることが価値です。多くの会社を見ているからこそ、全体視点で「本当にそれでいいのか?」と振り返らせてもらえる。

今後も、業種規模問わずさまざまな企業のコーチ経験を積み、久保田さんご自身に成長し続けていただくことが、私たちの成長にも繋がると思っています。

— 4年間継続されてみて、「すごい会議」はどんな企業にマッチすると感じられますか。

( 北見 )

“変化と成長を求めている企業”が一番いいかな。会社には過去の歴史があるから、自分たちだけでKPIを変えていくのは、実は、すごく難しい。外部の有識者が入って推進してくれると、非常に助かります。

生涯はチャレンジ。世の中に必要とされ続ける会社へ

— 改めて、御社の今後のビジョンについてお聞かせださい。

( 北見 )

数字で言えば、1,000億円の売上、100億円の利益。世界にチャレンジし、世界中で知られる会社になる。それによって世の中に必要とされる会社になる。それが今後のビジョンです。

経営者である孫正義さんの言葉に“Challenge or Die”というのがありますが、まさに生涯はチャレンジです。規模によりますが、30年続く企業は0.021%しかないと言われているので、少なくとも300年続く会社は存在しないことになります。

つまり、経営を始めた瞬間から、会社は私の子供か、その何代か後には必ずなくなる運命にある。

とすると、それまでに私ができることは何なのか。

誰が会社を継いでも社員が良い状態で働けるよう、この組織をプラットフォームとして磨いていくのみです。目的は売上ではなく、未来のために利益を作っていく必要があるからこそ、事業性ある発展が不可欠。これは私自身にとって、最大の学びの機会でもあります。

皆様に親しまれ、必要とされるブランドになるために、チャレンジし続け、進化し続ける、それしかないと考えています。

— ありがとうございました。

( 2020年11月)


               

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