
事業内容:
『DXを活用して、社会インフラを作る』次世代型テックカンパニー。自社開発で業務管理プラットフォームをAI化し、独自のビジネスモデルを確立。不動産事業から始まり、現在は“清掃”ビジネスの分野においてリーズナブルかつ高品質なサービスで急成長を遂げている
— 過去に経営チームで『すごい会議』を実施後、現在は営業チームで実施いただいています。
今回のプロジェクトの目的は、営業部の自走化です。当社の事業は、1件あたり数千円を積み上げるモデル。つまり、会社が安定的な成長を続けるには、ある程度の件数を継続的に積み上げる必要があります。
そのためにも、一部のスタープレイヤーに頼るのではなく、マニュアル=「型」に沿って進めば誰でも成果を出せるような再現性ある仕組みをつくりたい。そしてその結果として、“すごい数字”をつくる組織にしたい。
そのための『すごい会議』でした。
— 営業部門でどのような問題が起きていましたか。
営業が属人的で、再現性が低かったことですね。以前は、自分や営業部長が“野武士”のように数字をつくっていて、一部の人間の営業力に依存していました。その結果、大半のメンバーは伸び悩んで離職してしまうという、構造的な問題に陥っていたんです。
そもそも僕自身は、不動産業界での体験で「営業はセンスや能力に左右され、上位1割の人間しか報われにくい」という仕組みに違和感を感じていて。もっと地道にコツコツ努力する人が、一定の成果を出せる環境をつくりたい。その方が社員のキャリアアップにもつながり、会社としての安定性も高まります。
これまでも、新人でも売れる「勝ちパターンの型」をつくろうと取り組んできましたが、さらに精度を高めて現場に落とし込むことを目指しました。

— 営業の「勝ちパターン=型」を導き出した視点・プロセスを教えてください。
前提として、どんな領域でも初級者・中級者・上級者がいますよね。でも当社の営業は、初級者と上級者しかいない“二極化”状態だと気づいたんです。しかも上級者は、鍛錬で段階的に上がったというより、突然変異的に成果が出たタイプばかり。「どう育てればいいか」のヒントが見えにくかった。
そこでまず、育成をレベル別に設計しました。初級者には初級者なりのゴールを置き、「初級を中級に上げるには何ができればいいか」を言語化する。個別に指標を設定し、次に何を身につければいいかを分かる状態にしました。
同時に、上級者の行動を細かく分解して言語化し、改めて、行動と結果の因果関係を洗い出しながら型化を進めたんです。
今後は、現場で活用しながらアップデートしていきます。
— 型づくりで意図したポイントを教えてください。
ポイントは、曖昧さを徹底的に減らしたこと。抽象的な部分を残してしまうと、結局のところ、「あとは、がんばれ」で終わってしまう。成果の方程式をできるだけ細分化し、“誰がやっても同じ解にたどり着ける公式”として明文化しました。
たとえば、曜日や時間ごとに実行する行動を決めるなど、小さなことまで決め切ってつくり込んでいます。当社のビジネスモデル、営業スタイル、お客様の属性を踏まえたときに「どんな確率で何が起こるのか」を、細かく整理しました。
今思えば、プロジェクト開始前に「これが型だ」と思い込んでいたものは、今の状態の2割程度しか完成していなかった。精密さが最大の違いです。

— 開始から約1年半、どのような変化が生まれましたか。
変化は大きく3つ。1つ目は、マネージャーを含む上位層の動きが変わりました。現場社員の底上げを狙って着手した「型」づくりですが、勝ちパターンを言語化したことで、上位層の数字が安定し始めたんです。
本人も掴み切れていなかった成功の根拠があぶり出され、うまくいかない要因を“気持ちの問題”ではなく事実ベースで整理できるようになった。偶然や感覚に頼らない、再現性のある仕組みですね。
2つ目は、その下の現場社員に型の“移植”が進んだこと。全社員が同じ基準で動く手応えを感じています。また3つ目は、移植するだけではうまくいかないと気づけたこと。勝ちパターンは“知っている”だけでは意味がなく、実行し続けてこそ数字につながります。その「実行」をいかに管理するか。今は「移植+管理」の仕組みで、いい流れが生まれています。
— 営業の成功法を仕組み化した結果、どんな成果が生まれていますか。
売上は3年連続180%成長。清掃事業の月商は毎月上がり続け、過去最高売上を更新しています。再現性の高い仕組みを手に入れられた時点で、このプロジェクトは大成功。めちゃくちゃ満足です。
「こうすれば、どんなビジネスでも成果を上げられる」と、確信しました。

— このプロジェクトは、営業マネージャーの方が意思決定者ですね。その方の成長はいかがですか。
端的に言うと、「彼が変わったからチームが変わった」が、いちばん最適な表現です。彼はいわゆる天才型で感覚的に数字をつくってきたタイプなので、以前は、部下がなぜできないのか理解できなかった。
でも今回の『すごい会議』を通じて、「部下は教えなければできない。逆に、教えて管理すれば、できる」と、彼自身がようやく理解できた。その転機になったのは、“うまくいかなかった理由”を事実ベースで振り返り続けたことだと思います。
僕自身はこのプロジェクトのセッションには参加していませんが、実施前のミーティングは僕とマネージャー、小林さんの3名で行っています。そこで「なぜ、(部下が)できないのか」を、僕からの客観的な見立てとして伝えてきました。
その上で、小林さんが「事実は何か」「仕組み化するにはどうするか」と、解像度を上げる問いをくれる。“事実”から気づきが生まれ、彼のマネジメントが変わりました。
— このプロジェクトで、どのような再発見がありましたか。
型さえしっかりつくれば、安定した再現性の高いチームをつくれる──テレアポの実績を見て、改めて実感しました。
というのも、当社はテレアポの取得数が驚異的で、1人の社員が週に平均20件のアポを取るんです。入社3カ月の新卒社員が20件のアポを取れた実績もあります。その秘訣は、やるべき行動を明確にした上で、コツコツ続ける仕組みを管理すること。
2割の特別な人でなく、8割の普通の人が成果を上げるセンターピンさえ掴めれば、「誰でもできる」構造をつくれる。少なくとも今の当社のビジネスではそれができると再実感しました。
— 田島社長は、この1年でダイエットに大成功したそうですね。
過去にも、瞬間的に体重を落としたことはありますが、無茶なやり方でリバウンドも酷いものでした。
そこで今回は、1年後のホノルルマラソンに本気で出場すると決め、「どうすれば1年間減量を続けられるか」という疑問文だけを解き続けたんです。結果、過去最高にうまくいきました。
この体験で個人的に実感したのは、やめないことの重要性です。自分にあった型=武器を見つけて粛々とやり続けさえすれば、自然と「タイムをよくしたい」「もっと効果的な練習にしたい」と、欲も出てくる。続けなければ、そこにすら行き着けません。肝心なのは、続ける仕組み。ビジネスと一緒ですね。
おかげで僕は体調もいい上にメンタルも安定し、経営にもいい影響が出ています。僕自身がレベルアップした感覚で、明らかに人生が変わりました。

— 今後、このプロジェクトのセッションを隔月で続けていくそうですね。
今、コーチのセッションをやめてしまうと以前に逆戻りしかねないので、続けます。ただ、人に頼らず自分たちで管理する力も身につける必要があるので、頻度は減らします。
理想の状態は、5年、10年と経ったときに「この仕組みで行動しないと“気持ち悪い”」と感じるほどDNAレベルで浸透している状態。そこまで続けます。
— このプロジェクトについて、小林コーチの貢献をお聞かせください。
誤解を恐れずに言うと、小林コーチだから今回のプロジェクトは成功したと思っています。僕の感覚では、久保田さんは天才型のコーチ。対して小林さんは、論理的に自分なりの成功パターンを開発し、その仕組みを自分に課して達成してきた方だと思います。外資系保険会社でのキャリアも含め、思考と仕組み、努力で“すごい成果”を出してきた経験がめちゃくちゃある。
だからこそ、今回、8割の人材が成果を出す仕組みをつくれたのは、100%、小林さんの力です。
— 田島代表は、『すごい会議』コーチ育成プログラムにも参加いただき、コーチ役として経営会議を回していらっしゃいます。どんな面白み・難しさがありますか。
僕自身、もとは感覚型のプレイヤーです。そこを“事実”から問題解決を組み立てられるようになったこと、成果を方程式化できるようになったことに面白みを感じています。目の前の事実を材料に、自分たちに合った方法にアレンジして落とし込めるのが『すごい会議』の醍醐味ですね。
一方の難しさは、当事者同士だと視野が狭くなりやすいこと。現場の真ん中にいるほど、固定概念の内側で迷子になりやすい。だからこそ、社外コーチが“外側”の視点から問いを投げてくれることに価値があります。
コンフォートゾーンの外にある打ち手を示せる存在がいると、意思決定が変わります。

— 異なるタイプのセッションを実践した結果、どのような企業に『すごい会議』はマッチすると思われますか。
個人技で勝とうとする会社より、再現性を高めてチームで勝ちたい会社ですね。組織が拡大するほど、偶発的な成長に頼るには限界が出ます。そこを『すごい会議』は共通のルールや仕組みで、“意図的に訓練された戦い方”を実装できる。
小林さんを紹介するなら、チームプレーを得意とする積み上げ型の経営者にマッチしそうです。経営者が本気で成果を出したいと思っている会社ほど、効果が出やすいはずです。
— 今後のビジョンを教えてください。
僕自身のビジョンとして、どんな人でも成果を出せる社会をつくっていきます。成果を出せるようになれば生活がよりよくなり、がんばった分だけ手に入れられるものも増える。
そんな社会をつくるために、自分たちのビジネスがあると思っています。特に、人が中心の労働集約型のビジネスでは、仕組みで力を発揮できる状態をつくることが不可欠。その上で、個々が強みを発揮していければ、なお最高です。
僕自身は組織運営を仕組み化することで、新しい挑戦に時間を使っていきたいですね。事業の幅を少しずつ広げながら、実現していきます。
— ありがとうございました。
( 取材日:2026年1月9日、場所:株式会社ハステック、インタビュアー:渡辺恵)

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