CASE STUDY

全国約330店舗の“実行力”強化で、
売り上げ既存店前年同期比110%「行動の基準を変えて、組織を動かす」
全国約330店舗の“実行力”強化で、売り上げ既存店前年同期比110%「行動の基準を変えて、組織を動かす」

株式会社串カツ田中ホールディングス 取締役副社長 COO 大須賀 伸博 / 取締役 社長室 室長 織田 辰矢

事業内容:

外食ブランド「串カツ田中」を中核に、飲食店経営とFC展開を全国規模で推進。創業以来、「一人でも多くの笑顔を生む」ことを理念に、唯一無二のおもてなしとおいしさで“笑顔あふれる場”を提供する。串カツ文化を国内外に広める日本の外食業界を牽引するリーディングカンパニー


課題: 売上・営業課題
業界: 飲食・サービス・インフラ業界

「課題は“推進力”」330を超える店舗を動かす

— 導入から約9カ月。導入の決め手からお聞かせください。

( 大須賀 )

高須さんとは、飲食業界の経営幹部同士として以前から接点があり、コーチに転身されたと聞いたことがきっかけでした。

当社の課題は、全国に330以上ある店舗の推進力や実行力。新たな施策には取り組むものの、それを持続的な成果につなげるまでの、現場の「実行」に改善の余地を感じていました。

『すごい会議』は10年前から知っていましたが、セッションを体験するのは今回が初めてです。導入の決め手は、インプットだけで終わらず、現場に入り込んでアウトプットまで伴走してくれるそのスタイル。人材研修やコンサルティングも試しましたが、現場まで定着させられないもどかしさがあったんです。

この会議なら、そこに変化を起こせるかもしれない──そんな可能性に期待しました。

— 「意思決定者」を務める織田取締役に対して、どのような期待がありましたか。

( 大須賀 )

私自身、営業領域に長く携わってきた立場から思うのは、意思決定者の動きひとつで成果は大きく変わるということです。どう意思決定を下し、現場に落とし込んで成果につなげるか、マネージャーの手腕が光ります。

組織の推進力を高め、ホールディングスとしてさらなる成長を遂げるために、織田の「意思決定者」としての成長に期待しました。

「高すぎる」目標を立てる意味とは

— 『すごい会議』では、達成できるかどうかギリギリの「高い目標」を推奨します。どのような目標を設定しましたか。

( 大須賀 )

今回、掲げたのは従来の目標水準の約120%というチャレンジングな数字です。社内からは「さすがに無理では」といった声もあがりました。

ただ、この目標は、営業・人事・店舗開発・スーパーバイザー(SV)など、通常はあまり交わらないメンバーが『すごい会議』で意見を出し合い、合意して決めたもの。いつになく議論が深まる体験に、『すごい会議』の場の価値を実感しました。

( 織田 )

はじめこそ目標の高さに疑心暗鬼でしたが、ロジカルに数字を整理し「何ができるか」と、前向きに進むうちに、徐々に現場の実行のスピードが上がり始めたんです。

たとえ達成できなくても「目標を目指す価値はある。その過程で何かが生まれる」と、手応えを感じたことで力が入り、成果につながったのだと思います。

売上既存店前年同期比110%増。KPI劇的向上「徹底的にやるだけ」

— これまでに生まれた成果について教えてください。

( 大須賀 )

まだ期の途中ですが、上半期の売り上げは既存店前年同期比で約110%に伸びています。前年も高水準だっただけに、それを上回ることができたのは、現場の推進力や実行力が高まった証ですね。利益額も予算を超え、下期には上期の4倍となる出店を予定しています。

なかでも象徴的だったのは、「おすすめ商品を売る」取り組みです。これまでも実施してきたものの、今回はKPIとして数値目標を明確に設定し、進捗を徹底的に管理した結果、該当商品の売り上げが劇的に伸びました。商品や狙いは以前と変わらないのに、「決めたことを徹底的にやる」だけでこれほど結果が変わるのかと、驚きましたね。

行動の基準や意識が変われば成果も変わると、強く実感しました。

( 織田 )

起きている事象を一つひとつ言語化し、「どのようにすれば〜」と、疑問文に変換して打ち手を実行したことも大きかったと思います。

たとえば、「施策の意図が現場に十分伝わっていない」という課題には、担当者レベルまで「いつ・誰が・どのように」共有するかを明文化して徹底。「実行されない」という課題には、部長・マネージャー・店長の三層で連携を取り、認識をそろえて実行管理の仕組みを整える、など。

小さな積み重ねが変化につながりました。

組織成長の要(かなめ)は、マネージャーの成長

— 「意思決定者」を務めるなかで、織田取締役ご自身にどのようなアップデートが生まれましたか。

( 織田 )

当社のミッションを念頭に置きながら、「目標達成に対して、何が最も効果的か」「この実行で本当に達成に近づくか」と、高須さんの言葉を道標に成果軸で判断できるようになりました。

『すごい会議』は「正解が見えない不安のなかでも、意思決定を正しくする」と、全員が合意している場だからこそ、私もメンバーも迷いなく進める。

立場上、過去にも多くの意思決定をしてきましたが、その判断が誤りだったわけではなく、現場に「徹底」さえできれば成果は出るという事実が最大の発見でした。

( 大須賀 )

私も織田も営業畑の人間ですが、成果を上げるには他部署の協力が欠かせません。その点で、織田がこのプロジェクトを成功させるために、営業以外の領域にも責任を持って積極的に関与し始めたことが、私から見た大きな変化です。

先陣を切って行動する織田のパワーを生かして周囲を巻き込み、実行力を上げてくれています。

— 導入から9カ月間での、最も「うれしい」変化はなんですか。

( 織田 )

大須賀の言うように、営業以外の領域にもかかわることで、これまでになく「人」の変化や成長を肌で感じられたことですね。彼らがより前向きになり、思考や行動が少しずつ変わっていくさまを間近で実感できる。マネージャーとしてうれしい瞬間です。

『すごい会議』=再現性ある手法×コーチ

— 『すごい会議』の再現性ある仕組みについて、どこに魅力を感じますか。

( 大須賀 )

実行力を高める仕組みが、精神論ではなくロジカルに設計されている点です。意思決定から問題解決までのプロセスを通して経営陣の認識がそろい、新たな挑戦にも前向きに向き合える。

また、毎月のセッションに加えて週次の進捗確認会議があることで、意思決定と実行がしっかり結びつくんです。遅れが出ても即座にリカバリーでき、成果につながる構造です。

— 高須コーチの魅力を教えてください。

( 大須賀 )

私たちのいい面もそうでない面も総合的に見たうえで、私たちの成長のために「目を背けたくなるような問題」にも、躊躇なく踏み込んでくれる貴重な存在です。

高須さんのエネルギッシュで裏表のない人柄にも信頼を置いていますし、飲食業界への深い理解があるからこそ、実務に即した多角的で的確な提案をくれる点にも魅力を感じています。

( 織田 )

私たちの成果が高須さんの人生に直接影響するわけではないのに、常に100%「自分ごと」として本気で向き合ってくれる。その姿勢を信頼しています。

パッケージ化された研修やコンサルとは違い、「串カツ田中」の社風や人のキャラクターを理解したうえで、私たちに合った提案をしてくれるのもいいですね。

変化を全社へ波及させる──マネージャー育成プロジェクト始動

— 先月から、新たに2つの『すごい会議』プロジェクトを始動したと伺いました。

( 大須賀 )

経営幹部チームでの成果に手応えを感じ、現場に近いマネージャー層にもその波を広げるために、新規プロジェクトを開始しました。

対象は、6〜8店舗を統括するエリアマネージャー(GM)や、10〜15店舗を担当し加盟店支援も行うスーパーバイザー(SV)などのミドルマネジメント層。直営店チームとフランチャイズチームでそれぞれプロジェクトを立ち上げました。

飲食業は離職も多く、環境要因が大きく影響する変動的な事業だからこそ、マネージャー層の成長が組織の成長に直結します。ゼロから新たな何かをつくるよりも、既存の強み──「串カツ田中」のブランド価値を現場で最大限に発揮できる組織づくりが、持続的な成果への近道になると考え、進んでいます。

— 新プロジェクトのセッションが3回まで終了しました。どのような兆しを感じますか。

( 織田 )

KPIの数字が明らかに伸び、マネージャーによってはすでに以前の2倍近い成果が出ています。経営幹部チームを超える成長率に、伸びしろを感じますね。

D 高須 )

以前は、取り組む施策の数は多いものの優先順位に強弱がなく、自然と立ち消えになる施策も多い印象でした。目標から逆算して優先度と担当・責任を明確にしたことで合意形成が進み、「やるべきこと」がスムーズに、確実に動き出しました。

— マネージャー育成プロジェクトへの、今後の期待をお聞かせください。

( 大須賀 )

現場の変化を積み重ねた先に「達成」が見えるとすると、今、まさに各所で生まれている変化を、いかに他店舗・他部門へ横展開し、全社に波及させられるかがカギになります。

『すごい会議』に参加できるメンバーは限られるからこそ、この会議で力をつけたマネージャーが自らの成果や工夫を周囲に共有し、全社の基準を底上げしてくれることを期待しています。

「実現したい世界の可能性を、最速で最大化できる」

— 導入前後で『すごい会議』にどのようなギャップを感じましたか。

( 織田 )

導入前は、コーチが特別な打ち手として“ウルトラC”をくれるんじゃないかと期待していたんです(笑)。でも、違った。特別なことをしなくても、やるべきことを100%やり切れば成果は出る。

結局は、やるか、やらないか。選択と集中で本気の行動を徹底すれば、数字は動く。「お客様にいいパフォーマンスを届ける」という当たり前のことを、言い訳せずにやり切れるかどうかが成果を左右すると気づきました。

— 『コンサルティング』と『すごい会議』の違いをどう実感しましたか。

( 大須賀 )

コンサルティングは課題や期間が限定的で、コンサルタントが考える「正解」を実行したら終了という印象です。一方、『すごい会議』は長期的に関係性を持ち、コーチとともに問題を見つけだしていく。「走るのは、あくまで自分。コーチはその伴走者」という距離感が絶妙です。

しかも、インプットだけでなくアウトプットまで支援してくれることが他にない特徴ですね。自分たちだけでは甘えや妥協が入るようなところでも、コーチが忖度(そんたく)なく問いを投げかけてくれるので、止まりかけていたものごとが動きだします。

— 『すごい会議』とは、なんでしょうか。

( 大須賀 )

知人には「自分たちのポテンシャルを引き出してくれるもの」と、伝えています。『すごい会議』のコンテンツに驚きがあるのではなく、当たり前のことを徹底できることで成果につながる。つまり、「スゴくないのに成果が出る会議」なのかもしれません(笑)。

「串カツ田中」というコンテンツは素晴らしいものだと自負しているので、私たちはやるべきことをやり切るのみ。当社は「動かす」仕組みとして『すごい会議』を活用しました。

企業によって活用意図は異なると思いますが、「実現したい世界への可能性を、最速で最大化する会議」と置くと、しっくりきます。

( 織田 )

自分たちの力を高め、自分たちだけでは行けない場所に導いてくれるものだと思います。そのナビゲーターがコーチです。

— どのようなタイミングでの導入をおすすめしますか。

( 大須賀 )

プロ野球選手にコーチがいるように、どんな成長フェーズでも導入する価値はあると思います。自社だけでは気づきにくい課題や甘えを突破できるはずです。

特に、店舗展開がある事業では、10店舗を超えるあたりから推進力を上げるマネジメントの仕組みが必要になりますが、外部の力を借りれば、母体が大きくなってもスピードを落とさず進めると実感しました。

— 導入の満足度をお聞かせください。

( 大須賀 )

100%です。まだ当初掲げた高い目標の達成には至っていないので、厳密には90%かもしれませんが、課題も打ち手も見えているので大満足です。おかげさまで、導入前に比べて株価も順調です。

「串カツ文化」を世界へ。単一業態1,000店舗+αへの挑戦

— 貴社の今後のビジョンをお聞かせください。

( 大須賀 )

当社は「“串カツ”という食文化を広める」ことを目指し、コロナ禍などの困難も乗り越えながら、現在は全国約330店舗以上に拡大しました。次は500店舗、その先の国内外1,000店舗の実現が目標です。

そのためには、単なる拡大ではなく従業員や関係者が前向きに働ける関係性を築き、持続可能な形で成長することが不可欠です。単一業態で1,000店舗を展開する難しさも承知の上で、そこに正面から挑みます。

また、国内に限らず海外でも選ばれるブランドになるために、単なるチェーン展開ではなく、世界で愛される「串カツ田中」を目指します。

— ありがとうございました。

( 取材日:2025年7月8日、場所:株式会社串カツ田中ホールディングス 、インタビュアー:渡辺恵)


               

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