CASE STUDY

目指すは「教育で日本一」。
”問題解決し続けるチームづくり”で、過去最高売上へ
目指すは「教育で日本一」。”問題解決し続けるチームづくり”で、過去最高売上へ

医療法人社団勝榮会 いりたに内科クリニック
院長
入谷 栄一

事業内容:

内科・呼吸器・消化器・循環器・アレルギー・皮膚科などを中心に9名の専門医を抱え、専門性が必要な疾患にも対応できる強みを持つ東京都杉並区のクリニック。在宅診療にも力を入れており、地域になくてはならないホームドクターとして存在感を発揮している


課題: 人材課題(従業員育成・人材採用)
業界: 医療・美容・クリニック業界

“関わる人全てに「安心」と「幸せ」を届ける企業”を目指すために

— 「すごい会議」を導入しようと思った理由を教えてください。

( 入谷 )

湘南美容外科クリニックの相川院長の影響が大きいですね。相川院長は「三方(お客様、社会、スタッフ)良し」の理念のもと社員教育に注力されているのですが、僕も人を育て、関わる人全てを“良し”にしていきたいという思いがありました。

ただ、それを実現する方法が分からない。そんなときに「すごい会議」を導入している仲間の話を聞き、試してみようと思ったんです。

— 院長が「人の育成」に注力したいと思われた、きっかけは何だったのでしょう。

( 入谷 )

開業当時は、患者さんとの向き合いを第一に「患者の想いを聴き、応え、超える」という理念を掲げ、“超える”までを徹底しました。すると案の定、患者さんからの反応がよく、クリニックは賑わった。

ただ、その反面、忙しすぎてスタッフが疲弊してしまったんです。

そこで初めて、経営者として僕は自分のスタッフも幸せにすべきだと気づきました。以来、理念を「関わる人全てに「安心」と「幸せ」を届ける企業であり続ける」と、方向転換し、スタッフの教育・育成に力を入れています。

— 患者さんやスタッフの方を大切にしたい、という、強い信念の源を教えてください。

( 入谷 )

僕の生い立ちに関係していると思います。子供の頃はひどいぜん息で学校にも行けず、入院ばかり。生きることで精一杯でした。

そのため中学校も高校も、成績は最下位。でも、人には恵まれ、応援してくれる人がいたからこそ、病の苦しみがあっても努力できた。だから、入学時には最下位の成績でも、卒業する頃には必ず上位になれたんです。

「努力をすれば誰かが助けてくれる」僕自身が人に育てられてきたからこそ『恩返しがしたい』というのが、根本にあります。

その対象が、最初は患者さん、次にスタッフへと拡大し、『スタッフへの教育で日本一のモデルクリニックになろう』と、決めました。

とはいえ、人を育てることには全く自信がなく(笑)、僕は“承認”することと「頑張れ!」と、伝えることしかできない。導いてくれるコーチが必要でした。

小さな成功体験の積み重ねが、力になる

— コーチがいることで、なぜ、人材育成や“理念実現への道筋”が見えるのでしょうか。

D 森 )

現場のみなさんが困るのは、「頑張れ」と言われても、何をしたらいいか分からないことなんです。例えば、10km完走という目標を与えられても、10kmを走った経験がなければ、どうすれば完走できるかをイメージできない。

コーチがすべきは、まず、その距離を1km、500mへと落とすこと。500m走れれば1kmの走り方がイメージでき、5km、10kmと、その距離を伸ばしていける。目標を小さく刻んで成功体験を積み、自信をつけることで大きな目標への歩み方が見つかります。

— 導入1年目ではどのようなことに取り組み、成長へのステップを踏みましたか。

( 入谷 )

1年目は、教育満足度と従業員満足度を上げることを目標にしました。

「すごい会議」を通して、「達成に向けて役割を決め、実行する」という流れが定着した結果、スタッフの自主的な動きが生まれ、僕の出番がなくなった。『私たちが動く。院長は承認してくれる』という、行動の土台ができました。

また、従業員満足度向上の指標として、「ホワイト企業大賞」の受賞を目指した結果、第6回特別賞を受賞。その後も2年連続で受賞しています。

確かな結果が、僕の、彼らの自信につながりました。

大賞2年連続受賞の秘けつは、理念の徹底

— 2年連続「ホワイト企業大賞」特別賞(第6回、7回)、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」実行委員会特別賞(第11回)、受賞おめでとうございます。 これらを受賞する組織作りができたポイントを教えてください。

( 入谷 )

当たり前のことを、当たり前に実践しているだけです。まず、クリニックの誰もが『患者さんのために何をすればいいか』と、考えていること。

その源にあるのは「関わる人全てに“安心”と“幸せ”を届ける企業であり続ける」という、その理念です。患者さんが求める「安心」は十人十色なので『この患者さんは、何を望んでいるのだろう』と、全スタッフが考えながら診療に臨むことを徹底しています。

また、患者さんはもちろん、スタッフを含む全員で「幸せになろう!」という理念なので、スタッフの誰かが困っていれば「どうすれば困らなくなるか」と、助け合う。

理念をもとに進むことで、患者さんもスタッフも幸せになる仕組みが、根付きました。

理念・ビジョンが「自分のためになる」仕組みづくり

— どうすれば、組織の理念がスタッフへと浸透し、自主的に動いてくれる状態をつくり出せるのでしょうか。

( 入谷 )

僕が実践していることは、2つだけです。「関わる人全てに「安心」と「幸せ」を届ける」という理念と、「教育から人が集まる日本一のモデルクリニックになる」というビジョン、この2点を共通言語として徹底すること。

これが、かかわる全員の幸せにつながると信じていますし、できなければクリニックは閉めるとすら伝えているので、その本気がスタッフにも伝わっているはずです。

— 理念やビジョンを共通言語として浸透させる、具体的な仕組みがあれば教えてください。

( 入谷 )

理念を生きた行動に連動させるには、理念に基づいて行動すると「患者さんのために」、そして「自分のために」なるとスタッフ自身が実感することが重要です。

朝礼では、その日の個人目標を設定して発表し、お互いがその達成に向けて協力し合います。目標を作ることで主体性が上がり、日常業務の中からも小さな成長実感が生まれる。個人目標には、理念にひもづく“いりたに「らしさ」”を可視化した行動指標も活用します。

これらの行動を評価制度に連動させることで、理念から行動への一貫性を保つ仕組みとして機能します。

D 森 )

院長ご自身が、徹底的に理念を体現されている点が非常に大きいと思います。ご自身の生き方として、一貫して理念を追求されているからこそスタッフもついていく。揺らがない組織です。

「選択できる人生」を送ってほしいという願い

— 「教育で日本一」を目指される院長にとって、「教育」とは何かを教えてください。

( 入谷 )

スタッフ全員に“選択できる人生”を歩んでもらいたいんです。

僕は周囲に助けられ、努力してここまで来ました。その結果、いつでも自分の人生を“選択できる”状態にあります。例えば、万が一このクリニックが僕の理想とかけ離れた状態になってしまったとしたら、僕はここを離れて、またゼロから開業する選択ができる。そのためのスキルや経験、信頼や資金などで頭を悩ませる必要はありません。それが、僕のこれまでの選択の結果です。

スタッフも同様に、したい選択ができる人生を歩んでほしい。僕は何かにつけて「頑張った方がいいよ。その方が選択できる人生に近づくよ。」と会話しますし、「今後どうなりたいか」と、尋ねます。そしてそこに近づく機会を作って任せていく。それが僕なりの「教育」です。

— 入社3ヶ月の新人の方も進んで意見を発信し、自主的に行動されるとお聞きしました。 このクリニックで人が育つ理由を、もう少し教えてください。

D 森 )

僕から見て、成長を生む要素はいくつかあります。

まず、プロジェクトを進める上で院長はスタッフに進んで機会を与え、彼らを信頼して完全に任せ切るんです。任された彼らは自分の役割が見え、モチベーションが上がり、成果を上げることで自信がつく。承認もされる。このサイクルが成長につながります。

創業メンバーの方が、率先して理念を体現する行動をされたことも、周囲に影響を与え、その文化を伝播するきっかけになりました。

( 入谷 )

「すごい会議」以外でも、月に一度の全体ミーティングが、彼らのモチベーションを上げる機会になっているんじゃないかな。各自が自分の仕事内容や目標をプレゼンテーションする場で、その熱量が非常に高く、僕も彼らと徹夜で準備します。

スタッフにアドバイスしながら密にコミュニケーションできるいい機会ですし、絆が深まります。全員が真剣だからこそ周囲からの応援も熱く、成長を励ます文化が加速しています。

「再現性をもたらす仕組み」で人が育つ。過去最高売上へ

— 「すごい会議」の導入から約2年、院長が最もうれしかった成果を教えてください。

( 入谷 )

スタッフの成長が手に入ったことですね。仕事にやりがいと責任感を持ち、クリニックのことを考え、進んで問題解決してくれるようになりました。

特に、幹部メンバーの成長には目を見張るものがあります。今期から3本の事業柱(外来診療、在宅診療、法人・自費診療)を経営の指標とし、幹部メンバーに担当してもらっています。

彼らの行動によって成果が上がり、過去最高の売上にもつながっている。何より、彼ら自身の経験値が増し、“選択できる人生”を歩めつつあることが私の喜びです。

— 院長にとって、「すごい会議」の機能は何だと感じていらっしゃいますか。

( 入谷 )

再現性をもたらす仕組みです。決められた期日の中で行動し、毎週の会議で振り返りをすることで成功や失敗の理由がつかめる。「なぜ上手くいかないのか」を考え、言語化できることが大きな価値だと思います。

月に一度の会議だけでは絶対にダメ。週に一度など、短い期間で検証し続けることが、成長スピードを上げるうえで肝心です。

「問題解決し続けるチーム」で日本一へ

— コンサルタントでもなく、講師でもなく「コーチ」が入ることの価値は何でしょうか。

( 入谷 )

森さんにお願いすると決めたのは、「問題解決し続けるチームを作りましょう」というひとことが決め手でした。

「頑張れ!」だけでは組織の成長スピードに限界があると実感していたからこそ、自分たちで「どうすればいいか」を考えられる人材になってほしかったし、そんなチームが欲しかった。

だって、日々、問題だらけなんです(笑)。僕だけで解決するには限界がある。でも、チームがあればカバーし合える。

“問題解決し続けるチーム”ができつつあるのは、森さんのおかげです。

— 「問題解決し続けるチーム」は、何%完成したと言えそうですか。

( 入谷 )

70〜80%です。残りは単純に経験不足。進むほどに問題の難易度も上がるので、永遠に100%にはなりません。でも「すごい会議」への満足度は100%。それは人が育ち、問題解決し続けることができている実感があるからです。

— 今後のビジョンや挑戦を教えてください。

( 入谷 )

「教育から人が集まる日本一のモデルクリニック」になる、と、決めています。そこに向け、今後の1年間は、出版も含めたマニュアルづくりに取り組む予定です。“新人が3ヶ月で自律的に動くようになる”のはなぜなのか、説得力を持たせる根拠としての出版という手段です。

また、スタッフが”選択できる人生”に向けた自己投資をためらいなくできるよう、利益を還元できる段階にしていきたいですね。

理念とビジョンを実現することで、みんなが幸せになるための道筋です。

— ありがとうございました。

( 2021年5月)


               

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