CASE STUDY

世界的ファッションブランドへ。
意思決定のスピード加速が、1,000億企業への跳躍を生み出す。

CASE STUDY : 株式会社TOKYO BASE 代表取締役 谷 正人氏

東証一部上場株式会社TOKYO BASE 代表取締役谷 正人氏

事業内容:
TOKYO BASEは2008年創立、アパレル/ファッション業界の中でもアッパーミドルを対象とした嗜好品を扱う。主な事業は3つ。日本のデザイナーズブランドを集めたセレクトショップ「STUDIOUS」、全てMade in Japanの自社ブランドでいわゆるSPA事業の「UNITED TOKYO」、そして、同じくMade in Japanで、特にファブリック生地にこだわった自社ブランド「CITY」。これらを路面店・ルミネなどの店舗や、ZOZOタウン・自社ECサイト等で販売している。代表の谷 正人さんは業界で最速・最年少で上場した代表として注目を集める。

業界の慣習や常識にとらわれないオリジナルなやり方で、本質を追い続ける

— 業界最速・最年少で上場を成し遂げた谷代表の強さ、貴社の成長力の源を教えてください。

(谷) いわゆる業界の慣習を全部無視したことが良かったのかもしれないですね。当時は、雑誌に掲載されれば服は売れると考えていたので、じゃあ「どうすれば雑誌に載るのか?」と考えて、普通だったらタイアップする方法やプレスルームを構えることを考えるところを、そういった方法も知らなかったので、とりあえず雑誌の編集長に直接電話したんです。当然ほとんどは断られるんですけど、5%ぐらいの人が面白いと思ってくれて、雑誌に載せてくれたりしました。
 あとは、僕の年齢的に買ってくれるお客様との感覚も近かったので、お客様にとってこうあるべきだと思うことをやった、というのも良かったのかもしれません。

D高橋)なるほど。型破りですが、目的に対してシンプルな動き方ですよね。

(谷) ですね。今で言う、インフルエンサーの使い方も考えました。例えば、読者モデルがお店にいればお客様が来てくれるのではと考え、じゃあそのモデルの子達にお店で働いてもらえばいいじゃん、と考えたんです。原宿のキャットストリートで読者モデルの撮影を朝6時ぐらいにやっていたので、そこに週に1回行ってアシスタントのフリをして紛れ込み、読者モデルの子達に「うちの店で働かない?」ってリクルーティングしたりとか。常識がなかったので、手に入れたい成果に対して直結する行動だけを取れていたというのがよかったですね。

D高橋)「業界の慣習や常識にとらわれない」そのあり方で、目的に対して非常に効果的なアイデアを出されていますね。

(谷) そうですね。それはすごく大事にしていて、「あるべき本質を追っている」ということだと思います。ファッション業界だけを見ていると、隣のライバル店よりもクオリティの高いシャツを安く売ろうという発想になる。でもお客様のお財布事情で考えてみると、当然、洋服だけにお金を使うのではなく、飲み会や他の趣味にも使うわけです。そういう視点で見ると、他の産業も競合するという発想が生まれ、自然と我々が提供すべき価値も変化する。そうした考え方を持ち続けることは必要だと思っています。

1,000億への挑戦。Made in Japanで世界へ

— 成長し続ける貴社が、今後、中長期でどこを目指されるのか教えてください。

CASE STUDY : 株式会社TOKYO BASE 代表取締役 谷 正人氏

(谷) 今期が売上約130億円でファッション業界の中では中規模程度になってきたのですが、今後は最低でも流通高1,000億円以上の会社にはしていきたいです。
 昔、ある経営者に、「売上1,000億円以下の会社は、ただのお遊びで社長の趣味だ。起業家というのは、歴史に名を残すことをしない限り存在価値はない。」と言い切られた時に、確かにその通りだなと思いました。せっかく若い時に起業できたので、そこは目指したいですね。
 今のファッション業界では、普段使いのブランドとしてユニクロなどが世界でも有名です。でも、いわゆるアッパーミドル以上の高価格帯の日本のファッション企業で、世界的シェアを持つブランドはあまりないので、そこを狙いたいと思っています。

海外進出、M&A。意思決定のスピードが加速し、今までの延長線上にはあり得なかった成果を実現

— 2年前、どんな理由で「すごい会議」をやってみようと思われたんですか?

(谷) 経営に直結する場として会議のあり方の重要性は感じていたのですが、改善しようと2-3年試みてもなかなか生産性が上がらなかったんです。そんな中で「すごい会議」の話を偶然聞いて、正直「なんとなく、まずやってみよう」から始めました。

D高橋) 実際に「すごい会議」を始める前と今の一番の違いは、どんな所にありますか?

(谷) 物事の意思決定スピードが速くなりましたね。経営陣が、日々のちょっとした会議や会話の中で、フォーマットである「提案があります」といった言葉を使うようになったので、話が早いです。あと、「すごい会議」のフォーマットに沿うと、提案やリクエストなど発言にある種の責任が生まれるので、一人ひとりがより考えて発言するようになりました。
 また、香港にも2店舗出店しているのですが、海外進出のスピード、あるいはM&Aといった資本提携のスピードなども速くなったと感じています。経営面において、今までの延長線上ではない大掛かりなことができましたね。

D高橋) 「すごい会議」でいう、『その目標がなければ起こらなかったことの実現可能性を最大化する』という話ですね。

(谷) 他にも、代表の僕がどういうことを考えているのか、会議という場を通じてのメンバーに伝わるようになりました。今の経営メンバーには3社上場させているCFOもいれば、店長から部長になったばかりのメンバーもいる。その中で、会議の場が次なる経営者であり幹部を育成していく場になっているのを感じます。

D高橋) 逆に「すごい会議」を実施する上で気を付けなければいけない点を挙げるとしたら、どんなことがありますか?

(谷) ストレッチ目標にすることによって、瞬間的な数字を取ることが目的になってしまったことがありました。企業理念の達成のために売上げや利益目標を達成するはずなのに、「うちじゃなくてもいいこと」をやりそうになったり、「ただ新しいこと」=今までの延長線上にないことをやるということ自体が目的になって、本質からずれていないかを見極めるのが大事だと感じます。

外部のコーチだからこそ、経営拡大に向けた正しい抑止力として機能する

— では、どんな会社に「すごい会議」は合うと思いますか?

(谷) 基本的には、社長の視座が高く大きな目標を目指す会社は合うと思いますね。我々のように「世界中にインパクトを残したい」という企業とか。あと経営者として成長したい人。自分の実績や経験に自信があってつい気を抜くということもあると思うんですが、いい意味でそれを取り締まってもらうためにも、外部のコーチを導入するのは効果的だと思います。
 これを読んだ、会社を大きくしたいという想いを持っている社長が、「すごい会議」をやらざるを得ないようなコメントを残しておきます(笑)

CASE STUDY : すごい会議 高橋

D高橋) さすがです(笑)。ありがとうございます。

(谷) 例え内部に、例えば研修を受けてコーチングができる人材が育ったとしても、定期的に外部の人間が入る機能というのは必要だと思いますね。弊社の場合だと、もともと代表の僕とNo.2の役員はいい意味で牽制し合いながら役割分担ができていたと思います。ただその2人が強すぎるがために、抑止力が働きにくくなることがあった。そういう意味で、そこに介入できる第3、第4の人間というのが、内部にも外部にもいなければいけないと思っていました。

常に本音で切り込む、戦友でありパートナーとしてのコーチ

— 他に「これは言っておきたい」っていうことは何かありますか?

(谷) ・・・あとはやっぱり、高橋さんがよかったんじゃないですかね。

D高橋) あ!それ聞いておくべき大事なことです!!(笑)

(谷) 僕らの会社は平均27歳、経営陣も30代が多いのですが、コーチと経営メンバーの年齢が近いということが良い方向に影響していますね。普通は年齢が近いと逆に遠慮するとも思うのですが、高橋さんの場合は良い意味で全く遠慮することなく経営陣にグサグサと入ってきてくれて、かつそれに嫌な気がしないので、すごく機能していると思います。

D高橋) ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです!今後、コーチに更に期待することがあれば聞かせてください。

(谷) 冷たく聞こえるかもしれないですが、良い意味で、あまりうちに入り込み過ぎないでください(笑)。長く付き合っていくと距離がどうしても近くなりますが、やはりプロフェッショナルとして、戦友として関係を続けていきたい。パートナーという関係なので、良い距離感でやっていくことで機能し続けると思います。

D高橋) ぜひそうします!谷さん、今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

(取材日:2018年2月/場所:株式会社TOKYO BASE)

CASE STUDY : 株式会社TOKYO BASE 代表取締役 谷 正人氏


               

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