他人は変えられる?変えられない?
様々な企業様と会話をしていると、「社員が自分の仕事にコミットしていない。どうすればコミットさせられますか?」と聞かれることがあります。
そんな時にお伝えしているのは、「基本的に他人を変えることはできません。変わる『きっかけ』を与えることはできます」ということです。
以前、ある経営者から、「経営幹部が独立したいと言っています。辞められては困るから森さん引き止めてください!」と依頼されたことがありました。
そこで私がお伝えしたのは、「彼が本当にその状況を望んでいるとしたら、それを変えさせることはできません。ただ、迷っているのだとすれば、意思決定するためのきっかけづくりはできます。」ということです。
そこから、辞めようとしている社員の方に対して1ヶ月半の個人コーチングを開始。その方の目標は何で、なぜそれを手に入れたいのか、現在地はどこなのか?というアセスメントを実施し、ではどうやって目標を達成していくのか?ということをコーチングし続けました。
結果、最終的に彼が出した結論は「今の会社で経営幹部としてやっていきます!」というものでした。
もちろん私は一言も「辞めるな」とは言っていません。
その企業の経営者の方曰く、その後は彼のコミット度合いが上がり、組織全体に好影響を発揮しているとのことです。
今までに何人もそういう人を見てきましたが、「やりたいこと」が明確になると、人間の行動力や成果は格段に上がります。外発的なコントロールではなく、本人自身が「やりたい」という内発的な動機から選択、意思決定をすることで生まれる結果です。
今、退職を選ぼうとしている部下をお持ちの方も、その意思を変えさせようとするのではなく、本人が「どうしたいのか?」ということを中心に会話をしていくと答えが見えてくるかもしれません。その結果、退職が最善の策ということもあり得ますがそれもまた一つの真実です。
ポイントは、変えようとするのではなく「きっかけを創る」ということです。
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