電子書籍ビジネスで上場に挑む

— 出版不況の中、順調に事業を拡大し、上場まで実現した背景を教えてください。

（岩本）　当社が電子雑誌で成長を続ける要因のひとつは、既存の出版社のようなしがらみがない点です。多くの出版社は、既存書店や取次業者を意識し、電子化への足踏み状態が続いています。また、出版社がコンテンツをデジタル化する場合、紙の誌面を単純にコピー&ペーストするケースがほとんどですが、当社は初めからデジタルのみで雑誌を作るので、動画などのリッチコンテンツや、雑誌の掲載商品をすぐ購入できる機能など、読者が喜ぶ機能を豊富に搭載しています。

— 「すごい会議」との出会いはいつですか。

（岩本）　去年（2014年）7月に、親会社のネクシィーズが「すごい会議」を導入しました。最初のセッションでグループ全体の収益目標を立てたところ、フォーカスすべき企業は、Nexys BBとブランジスタの2社という結論に至り、以降、ネクシィーズ社長の近藤と我々ブランジスタ、Nexys BBの計7名のメンバーでセッションがスタートしました。

「どのようにすれば実現できるか」を考えればいい

— コーチングを受けて感じたご自身の「変化」を教えてください。

（岩本）　問題解決の方法を学ぶことで、次第に自分の可能性が広がるのを体感しました。1日目に決めた売上目標は、「これを達成したらすごい。達成したい!」と思う挑戦的な数字で、モチベーションが大いに上がりました。そして従来では考えられなかった高い目標を立てることにより、できない理由ではなく、達成するために何をすれば良いのか、どうすれば実現できるかを考えるようになりましたね。

— 具体的に現れた「効果」はどのようなものでしたか。

（岩本）　特に印象に残ったのは、採用活動です。７月のセッション初回時に、来期の目標達成には「9月までに30人の営業増員が必要」だということが分かったため、すぐに人材募集を行いました。通常、夏休みに入るこの時期に人材募集はしません。しかも今までに経験したことのない多人数の採用です。新たなチャレンジとしてハードルは高いものでしたが、「どのようにすれば実現できるか」という問いかけを常に持ち取り組むことで、結果、目標通りの人数を採用できました。人の拡充で次の期は順調に売上を伸ばし、結果的に年間予算を達成。上場の足がかりになりました。 そもそも「増員が必要」という大きな課題に気づけたことも、コーチングの成果です。

約束を守って達成すると、次の課題に進める

— なぜ、これほど順調に成果を出し続けているのでしょうか。

（D久保田）　「すべきことを、しっかり実行する」からです。グループ全体でその傾向はありますが、特にブランジスタは、セッションで決めた目標を毎回達成します。これができない会社が実は多い。一つひとつ決めたことを達成するから、次のセッションでは課題が変わる＝前に進むのです。

（木村）　コーチはダイエットのトレーナーみたいな感じですね。運動が面倒だな、甘いものを食べたいな、と思い始めたタイミングで「甘いもの食べてませんよね」と聞いてきます。セッションの場で、コーチに「木村さん、何か言いたそうですね」と振られると身が引き締まります。

— 今後の更なる目標を教えてください。

（岩本）　公開している目標数字はありますが、実際にはそれを上回る目標を立てています。これまでは予算策定の段階で高い目標を立てても、「無謀な数字」で終わる可能性がありました。今は、意思決定した目標の根拠や実現のためのステップを社員と事前にしっかりと共有し、全社一丸となってその目標に突き進んでいます。
　来期は更に、人も増やす予定です。人の拡充は事業の拡大につながります。より高く設定した数値の実現を久保田コーチにサポートしてほしいですね。あとはアクセルを踏むだけです。

— ありがとうございました。

（取材日：2015年9月）