CASE STUDY

成功体験の共有で、
「みんなで何でも挑戦する」組織へ。

CASE STUDY : 株式会社志摩地中海村 代表取締役 大西 晶氏 / 株式会社マスヤ 営業本部チーム 田中 未来氏(社内コーチ)

株式会社志摩地中海村 代表取締役大西 晶株式会社マスヤ 代表取締役社長浜田 吉司営業本部チーム田中 未来(社内コーチ)

事業内容:
株式会社マスヤのグループ会社であるリゾートホテル事業。1993年、会員制の別荘村として個人が出資し合い、理想のリゾートを生み出したのが始まり。会員の高齢化に伴い運営会社を設立し、一般に開放したホテル「志摩地中海村」として2010年から営業を開始、マスヤのグループ会社となった。地中海沿岸の街並みをイメージしてスペイン人の建築デザイナーが監修、調度品もスペインから輸入している。「本物のリゾート感」が、口コミやSNS、メディアで話題になり人気を集めている。

事業再生に向けたスタッフの意識改革

— 今回の「すごい会議」導入の経緯を教えてください。

(浜田) 本社マスヤで導入した結果、大きく効果が出たため導入に至りました。米菓販売という古くからのビジネス現場に意識改革を起こすことができた。そこでグループ会社でも社内コーチ※を活用して課題の洗い出しをしたのです。
※マスヤの社員に「すごい会議」のコーチングプログラムを習得させ、内部で課題解決セッションを実施できるようにする社内コーチプログラム

— 何が「課題」だったのでしょうか。

(浜田) 端的に言えば、事業再生です。これまでは株主からの投資支援で運営してきたのですが、更なる成長に向けて、自主自立の経営体質を確立する必要があった。施設の整備増設、宿泊規模の倍増化、スタッフの拡充など、事業をスケールアップさせる中では、現場の経営意識の醸成が急務でした。2015年にこの1年が勝負と判断し、「すごい会議」での経営改革実施を決断しました。

社内コーチが生み出す風土改革

— 社内コーチを活用した「すごい会議」はどのように実施されたのですか。

D久保田) 大西社長とフロントやレストランのトップスタッフの計5名を対象に、マスヤで社内コーチを務める田中さんが担当しました。最初の3回は、僕もサポートで入りましたが、当初は、集まったメンバーに「危機感」がない印象でした。

(大西) 私はリニューアルオープン当時からスタッフとして働き、2012年から社長を務めていますが、別荘村からホテルへの転換時にも経営指標を現場と共有せずにきてしまった印象があります。そもそも完全な縦割り組織で、部署をまたいだ会議すらしたことがなく、他業務に意見するのは「越権行為」という雰囲気すらあったんです。

(田中) セッションを始めてみると、口で言うことに事実の根拠がない。何か提案を求めても、誰かが「それは無理」と阻んでしまう。やがて意見も出なくなって議論も止まる…。そんな状態を見て、これは一度全て壊す必要があると考えました。

— 田中コーチは、その状況をどう変えていったのですか?

(大西) どうすれば利益が上がるかを聞いているのに、「人が来ないから」「立地のせい」、果ては「お客さんのせい」と言い訳をする会話の中で、コーチが絶妙なタイミングで「何でもいいから手元の紙に提案を書いて」、「発表して」ときっかけを作る。言いにくいことも、一度書くことで他の部署への意見が出せるようになる。その「すごい会議」の手法が、彼らを徐々に変え始めました。

(田中) 私はホテル業務については素人です。営業部門なら物販という数値での目標管理が可能ですが、対人サービスは違います。何を目標にするかも現場のスタッフが決める必要がありました。これは久保田コーチの受け売りですが、コーチはプレイヤーじゃない。点を取りに行くのはスタッフ1人ひとりだと自覚してもらうことが大切です。これを常に意識してもらうよう、コミュニケーションすることを心がけました。

D久保田) 3回のサポート以降は、僕は関わっていません。大きな変化を感じましたが、何がきっかけだったのでしょうか。

(大西) 雰囲気が良い方に変わりつつある中で、集客が難しい冬季の宿泊プランを議題にしました。すると、他者の意見を潰すことがなくなった反面、今度はたくさん出る案を絞り込めない(笑)。そこで、思いつくアイデアを全部やってみることにしたんです。もとの12プランに加え、新たに10プランも追加。今までなら考えられない選択をした結果、なんとかやり抜き、そして結果を出したことで、「やってできないことはない」という成功体験を共有できました。
 以前なら実施しないであろうプランも、「実現するにはお客さまをどうサポートすればいいか?」と考えるよう思考が変化したんです。

(田中) 『意見の潰し合い』が、『意見は言えないけど書けば提案できる』に変わり、『みんなで何でもやってみよう!』に発展する。これが、1年を経ずに起こったことです。5月の伊勢志摩サミット開催も追い風になり、ホテルの認知度は急激にアップしました。ただ、追い風も風を受け止める帆がなければ、何も得られない。冬の成功体験とスタッフの自信が、成功に繋がったんです。

(浜田) 2015年度の決算に続き、2016年度も好調です。「大化け」し、確実に利益を生む体制に変化しつつある。未来に向けた土台ができたと言えるでしょう。

全員が働く喜びを感じる職場へ

— 改革も道半ばの今ですが、今後の抱負や展望をお聞かせください。

(大西) セッションに参加している5人の意識を、どうスタッフ全体に浸透させるかが、今の課題です。ホテルは施設作りと同じくらい、人作りが大切。それを改めて実感した「すごい会議」の効果を、組織全体に波及させていきたいです。

(田中) 先日、大西社長が今後の方針を全スタッフに説明しました。それを聞く彼らの目の輝きが、自分たちもやるぞって訴えているんです。でも、まだ人によって輝きの度合いが違う。もう1枚殻を破り、スタッフ全員が喜びを感じながら働く職場にしたい。社長と私の思いです。

(浜田) 「すごい会議」を活用した弊社グループ会社の成功事例だと思います。2017年には、当ホテルは60室規模のホテルへと生まれ変わります。今後も「すごい会議」を活用して更に大きなハードルを越え、「『地中海村』に行かないなんて損だよ!」と言っていただける場所にしたいですね。

D久保田) 僕がマスヤさんに残したものが、事業や社員と共に育ち、グループ会社へと広まっていく。そこで誰かの人生が輝く。コーチ冥利に尽きます。

— ありがとうございました。

(取材日:2016年11月)

CASE STUDY : 株式会社志摩地中海村 代表取締役 大西 晶氏 / 株式会社マスヤ 代表取締役社長 浜田 吉司氏 / 株式会社マスヤ 営業本部チーム 田中 未来氏(社内コーチ)


               

ご検討中の方へ
まずはお問い合わせください。

経営力/営業力・組織マネジメント・人材育成などのお悩みに、
1,000社以上の組織成長をサポートした手法で解決に導きます。

CONTACT/お問い合わせ

※お問合せから原則2営業日以内に担当スタッフよりご連絡いたします。

CASE STUDY

もっと見る